『ウィーン・ミュージカル・コンサート2』に出演するマーク・ザイベルト 『ウィーン・ミュージカル・コンサート2』に出演するマーク・ザイベルト

ウィーン生まれのミュージカル『エリザベート』が日本に初登場したのは1996年。その後20年もたたない間に、日本演劇界では〈ウィーン・ミュージカル〉が、ブロードウェイやロンドンのミュージカルを凌ぐ勢いで人気を博し、ヒット作の代名詞となった。日墺の交流も盛んで、昨年もウィーン版『エリザベート20周年記念コンサート』来日公演が熱狂的に受け入れられたばかり。そんなウィーンのスターが来日し、人気作のナンバーを歌い継ぐ『ウィーン・ミュージカル・コンサート』が2008年に続き、7月に上演される。今回のキーマンのひとりがマーク・ザイベルト。日本では初のお目見えとなる彼に意気込みを訊いた。

『ウィーン・ミュージカル・コンサートII』チケット情報

188センチの長身、整った顔立ち。ワイルドな風貌を裏切るかのような甘い歌声が武器の彼。取材日は正真正銘の“初来日”日だったが、「日本ツウの仲間から色々な話を聞いてきました。日本のお客さまは素晴らしい、“来てくれてありがとう”という感謝の気持ちを示してくださるし、良いパフォーマンスをするとすぐに反応が返ってくる、と。今からとても楽しみにしています。知らないこともたくさんありますが、未知との出会いはとても楽しいことですよね」とニコニコ。落ち着いた雰囲気を持つ彼だが、笑うと少年っぽさが顔を覗かせる。

彼が一躍注目されたのは2005~6年『ロミオ&ジュリエット』のティボルト役。2012年にウィーンで開幕した『エリザベート』再々演版ではヒロイン・エリザベートと相対するトート役に抜擢、大好評を博している。ともに日本でも人気の高い作品だけに、彼の来日を心待ちにしていたファンも多いだろう。ヨーロッパでは次々と大役を務め、次世代スターの筆頭と目されるマークだが、実はミュージカル俳優を目指そうと思ったのは「二十歳の時と非常に遅かった」とのこと。「最初は経済学を勉強していたんです。ミュージカルは小さい頃から好きだったんですが、職業として目指してはいなかった。言ってみれば偶然の産物のようなもの。でも計画していないことの方が上手くいくこともありますよね」。どこか飄々と言う彼に、ウィーン・ミュージカルの魅力がどこにあるかを訊いた。「ブロードウェイのミュージカルはどちらかと言えばショーを前面に押し出している。それに対し、ウィーンの作品は物語性に焦点が当たっている。死をめぐる物語だったり、人の運命をめぐる物語だったり。ストーリーの深さが一番の魅力ではないでしょうか。コンサートでは、“ウィーン・ミュージカルの真髄”をご披露する予定です。私はトートとティボルトのナンバーは必ず歌いますし、まだ自分自身演じたことのないものも歌う予定なので楽しみにしていてくださいね」。

公演は7月5日(金)・6日(土)にBunkamuraオーチャードホール、7月11日(木)から15日(月・祝)に梅田芸術劇場 メインホール、7月20日(土)から22日(月)に東急シアターオーブにて。チケットは5月11日(土)一般発売開始。東京公演は4月20日(土)11:00~30日(火)11:00でインターネット先行抽選販売プレリザーブを受付。