五月病を防ぐ3ヵ条は『睡眠』『食事』『リラックス・タイム』

「例えば『過緊張』の症状が1日出た段階で『あ、自分ちょっと疲れてきたな』と思ったら、次の日はしっかり寝ること。ビジネスパーソンであれば、最低6時間の睡眠は取らなければダメ! 加えてちゃんと夜に寝ることが大事です。昼間の電車の中で寝ても疲れは取れていないですから。
食事もタンパク質・ビタミン・ミネラルが豊富なメニューを食べるだけで、かなり違いますよ。それをしないで放っておけば放っておくだけ、食事や睡眠だけでは解決できなくなってしまうんです。社会人になった以上は、自分のカラダのオーナーになったつもりでちゃんと動いていく感覚を持ってほしいですね」

『睡眠』と『食事』。基本中の基本だけに、ついついおろそかにしてはいませんか? 加えて奥田さんが力説するのが、『リラックス・タイム』の重要性。

「ネット環境が発達して、ずっと仕事が追いかけてくる状態になっているので、下手すると夜もずっと仕事をしていられますよね。その辺は自分で区切りをつけて『リラックス・タイム』を確保していくのが、これからのビジネスパーソンの課題だと思います。今はデジタルスピードを強要されて、すべてが管理されてしまっているので、いい意味での『サボり時間』がなくなってしまい、緊張状態が取れない人が増えています。特にIT関係や、責任の重い仕事を任されている人が、うつ病になりやすい傾向がありますね。周りの迷惑にならない程度に、自分でうまく『サボり時間』を作っていくことも大事です」

そんな『リラックス・タイム』を利用して、コーヒーやお茶でひと息入れたり、ツイッターやフェスブックなどのSNSをチェックするという人も多いのでは? でもここにも思わぬ落とし穴が潜んでいるのだとか!

「カフェインは『テンパる』方に働く成分なんです。自分が『過緊張』気味だと感じたら、15時以降はカフェイン入りの飲み物は飲まないほうがいいですね。最近はカフェインが入ってないコーヒーもあるので、コーヒーが好きな人はそれらを飲みましょう。
またSNSなどのネットツールも、脳を疲れさせてしまうので控えたほうがよいです。疲れているときは、不安定なコミュニケーションは取らないほうがいいんです。炎上しただけで、うつになる人もいますからね。それでもSNSをやりたい場合は、自分から発信はせずに、他人の投稿にリアクションする程度の『受け身のスタンス』にしておくとよいでしょう」

さらに奥田さんは「リラックス・タイムにしてほしいのが『自分と向き合うこと』」とも話します。自分自身のSOSにきちんと耳を傾けること、これも大事なセルフケアのひとつなんですね。

「ある程度リラックスした状態でないと、自分の心とは向き合えません。自分と向き合う時間を作って、不安なことがあれば『なぜ不安なんだろう』と問いかけてみると、自分が抱えている問題の根っこの部分が見えてきます。そうすれば解決への糸口がきっと見つかります。
自分のマネージメントをしっかりすることが大事。出世する人やカリスマになった人に話を聞くと、必ずと言っていいほどみなさん独自の健康法を持っています。第一線で活躍する人で、自分の体をおろそかにしている人はまずいないですよね。『体が資本』『健全な魂は健全な肉体に宿る』と言いますが、あれは本当のことなんです。若い人こそ、そこに早く気づいて身に付けてくれるといいなと思います」