濱田めぐみ 1stコンサートより  撮影:渡部孝弘 濱田めぐみ 1stコンサートより  撮影:渡部孝弘

2010年に劇団四季を退団後も『ジキル&ハイド』『シラノ』など話題作に続々と出演、日本ミュージカル界のトップスターとして揺るぎない位置を築きつつある濱田めぐみ。そんな彼女が初めてのソロコンサートに挑んだのは、昨夏のことだ。連日満員という反響を得て、早くも2度目のコンサート『Rouge ルージュ』の開催が決定。意外にも「素の自分を出すのは苦手なんです」という濱田に、本番への意気込みと見どころについて聞いた。

濱田めぐみ コンサート情報

インタビューは本番を1週間後に控えた稽古場で行われた。「毎日の稽古が大変で」という言葉とは裏腹に、濱田は充実の表情。タイトルの『Rouge ルージュ』は、構成・演出を担当する小林香らスタッフの提案で決まったという。「“赤”には愛や情熱だったり口紅のルージュだったりと、いろんなイメージを込めているそうです。私はテーマを与えてもらうと、逆にその中でのびのびと動けるタイプ。今の私にこの単語を与えてもらったこと自体を大切にしたい」と濱田は語る。

在団中は3~5年という長いスパンでメインキャストを務める日々。濱田は「仲間と一緒に舞台を作り上げることが最優先だったので、ソロコンサートという濱田めぐみの“個”や“我”が前面に出るステージなんて考えたこともなかった。だから昨年の初コンサートでは舞台での居方すら分からなくて、お客様の心配そうな顔や励ましの声援にだいぶ助けてもらいました」と笑う。慣れないことはもうひとつあって、「コンサートでミュージカルの曲を歌うとき、どうしても役から切り離して歌うことができずに、その役柄の感情に入り込んで歌ってしまうんです。だから1曲を歌いきった後にボーッとしてしまって『次の曲は何だっけ』とか『MCなのに頭が真っ白』ということも(笑)」と初々しい一面を見せる。

今年も“コンサートらしさ”を目指すより、「自分なりにそれぞれの曲の精度を深めていきたい」と意気込む濱田。セットリストには出演作の曲を始め、『レ・ミゼラブル』『RENT』など名作ミュージカルの“あの曲”をセレクト。「私を知っている人こそビックリするかも」という、回ごとに異なる曲を歌うコーナーもあり、楽しみな限りだ。

最後に観客へのメッセージをお願いすると、「劇団時代からのファンの方には、今回もまたチャレンジばかりなのでぜひ一緒にコンサートを作っていきましょう!と。そして最近私を知ってくださった方には、濱田はこんな風に歌い倒してきましたよっていう自己紹介として聞いていただけたら」とチャーミングな笑顔で答えてくれた。「今、自分が色々と開眼してきているのを感じていて、それが楽しい」という濱田の魅力を、このコンサートでは存分に味わえそうだ。

公演は4月25日(木)から29日(月・祝)まで東京・天王洲 銀河劇場、5月3日(金・祝)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。チケット発売中。

取材・文:佐藤さくら