映画『リアル』完成報告会見の模様

第9回“このミステリーがすごい!”大賞受賞作を映画化した『リアル〜完全なる首長竜の日〜』の完成報告会見が23日に東京・上野の国立科学博物館で行われ、ダブル主演の佐藤健と綾瀬はるか、共演した中谷美紀、メガホンを執った黒沢清監督が出席した。

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原作は乾緑郎の『完全なる首長竜の日』。自殺未遂によって昏睡状態に陥った淳美(綾瀬)の自殺の理由を探るため、彼女の幼なじみで恋人の浩市(佐藤)は昏睡状態の患者と意思疎通のできる脳神経外医療の一種“センシング”によって、淳美を昏睡状態から目覚めさせようと試みる。

脳内へのダイブに挑むという難役に佐藤は「意識の中のお芝居だけに、“正解”がなく難しかったが、黒沢監督の世界観を表現できるよう頑張った」と手応え十分。「理解するのではなく、感じてほしい」と現実と虚構が交差する本作をアピールした。

会見は物語のキーとなる首長竜(フタバスズキリュウ)のレプリカが展示されるスペースで行われ、綾瀬は「首長竜が大好きなので、こうして会えて興奮しています。いい眺めですね」とニッコリ。また、中谷は『LOFT ロフト』(2006)に続く黒沢組で「本当に幸せな日々。人の心ってなぜ複雑なのか。答えがないからこそ、知りたいと思える作品」と瞳を輝かせた。

物語の設定にちなんで、佐藤は「カラフルな部屋に積み木があるイメージですね」と綾瀬の頭の中を分析。さらに「撮影中、中谷さんが隙を見せることは一度もなく、常に完璧。実際はきっと欲望もあるだろうし、複雑なことになっていそう」と中谷の脳内にも興味津々だった。黒沢監督は「意識下の世界をどう映像化するか試行錯誤の連続。でも若手ナンバー1の佐藤さんと綾瀬さんが、肉体をかけて演じる姿を撮れば、それが“リアル”になると思った」と満足そうに語っていた。

『リアル〜完全なる首長竜の日〜』
6月1日(土)より全国東宝系ロードショー