『ジャッキー・コーガン』(C)2012 Cogans Film Holdings, LLC. All Rights Reserved.

ブラッド・ピット主演作『ジャッキー・コーガン』が26日(金)より日本公開される前にピットの最新コメントが到着した。“優しく殺す”がモットーの強烈な殺し屋を彼はどのように演じたのだろうか?

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映画は、賭博場で起きた強盗をきっかけに、その黒幕を捕らえる依頼を受けた殺し屋ジャッキーが、それぞれの思惑と裏切りが複雑に絡みあう裏社会に秩序をもたらすため、全員を“優しく殺そう”とする姿を描いている。ピットは「彼にとっては殺しも“ただのビジネス”なんだ。周りの人間も含めてビジネスのルールを理解していて、踏み外すと代償を払わせられるんだ。そこに善悪はなくて、ビジネスならクビだ。『ジャッキー・コーガン』ではクビの代わりにものすごいデカイ銃で撃たれるんだけどね」と分析する。

原作は1974年に出版されたノワール小説で、独自のルールで裏社会を生きるジャッキーの造形は普遍的な魅力を備えているが、脚色に際して監督も務めたアンドリュー・ドミニクは、あえて現代の観客がよく耳にする固有名詞や人名を盛り込んだという。「映画に我々の生きる時代性を持ち込みたかったんだ。そして我々の今について補完的に説明するものにしたかった。劇中で挿入される引用の全てに同意している訳ではないけど、目を向けなければならないと思っているよ」。ちなみにドミニク監督とタッグを組むのは『ジェシー・ジェームズの暗殺』に続いて2度目。その語りと演出手腕には絶大な信頼を置いている。「まずは自分達が誇りに思う脚本を友人達と作ること、そしてその中心にいられることが僕の私欲だ」。

ジャッキーはどんな時も自分に課したルールに則ってスマートに行動する。決してブレず、決してためらわない。その姿は“セレブ”として名声を得ながら、映画製作と私生活だけに邁進するピットの姿と重なるところがある。「昔は本当に(注目を浴びることが)嫌だったし、納得がいかなかったよ。人前で発言するなんて嫌だった。でもやがて人に語りたいことが出来てきたんだ。スポットライトから逃れることはできないけど、僕が鏡を持つことでその明かりを必要としていることに向けることができると思う」。近年のピットは俳優だけでなく製作者も務め、脚本づくりの段階から映画作りに参加している。ジャッキー・コーガンほど手荒なことはしないが、自らの信念を曲げることのないピットのクールな姿勢を本作で存分に堪能できるはずだ。

『ジャッキー・コーガン』
4月26日(金) TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー