李忠成(FC東京)  (C)J.LEAGUE PHOTOS 李忠成(FC東京)  (C)J.LEAGUE PHOTOS

同じ都道府県に本拠地を持つダービーマッチは盛り上がり必至だが、多摩川を挟んだFC東京と川崎フロンターレの多摩川クラシコの熱量はハンパではない。そんな多摩川クラシコが4月27日(土)、キックオフを迎える。

4月27日(土)[FC東京対川崎フロンターレ J1リーグ戦」チケット情報

両チームとも前節、来たるべき一戦へ弾みをつけた。開幕2連勝の後、4連敗を喫したFC東京は7節・名古屋グランパスを3-1で下した。一方、川崎Fは3分3敗で迎えたベガルタ仙台戦で今までの鬱憤を晴らす4-2で今季初勝利を挙げた。リーグ戦の順位はF東京が9位、川崎Fも14位だが、浮上のキッカケとして多摩川クラシコは持って来いの90分間と言える。

F東京・ポポヴィッチ監督も川崎F・風間八宏監督も、ボールも人も動かすサッカーを標榜する。ツボにハマれば、ボールを圧倒的に支配し、快勝する。F東京はFW・渡邉千真が5ゴール、FW・李忠成、ルーカス、長谷川アーリアジャスールの2列目が各2得点をマークする。川崎も大久保嘉人&レナトが4ゴールずつ挙げ、リーグ3位の13得点を記録する。だが、目指すスタイルが大事でも遅攻一辺倒では、いくらパスを回しても、相手に脅威を与えることはできない。

守備も課題だ。両軍とも先制点を献上し、同点に追いつこうと前掛かりになったところにカウンターを食らう、悪循環に陥っていたのだ。また川崎Fはナビスコカップも含め4試合連続でセットプレーから失点を喫するなど、弱点がある。チーム得点と失点を見ればわかりやすい。F東京は11得点9失点、川崎Fは13得点ながらリーグワーストタイの15失点である。

そこで前記した7節のゲームだ。F東京も川崎Fも、じっくり足下でボールをつなぐ、いつものスタイルだけではなく、縦に速く攻めるサッカーを見せた。相手が最終ラインの裏を狙ってくるパスを警戒すればしめたもの。最終ラインは下がり、中盤にスペースが空く。そのスペースを今度はパス回しで突けばいいのだ。

攻撃だけではない。7節では守備でも前線からのチェイシングを怠らなかった。セカンドボール争いも激しさが増してきた。バランスのいい遅攻と速攻や、積極的な守備はたまたま7節だけうまくいったのか、今後のスタイルとして身についていくものなのか。多摩川クラシコは絶好の試金石でもある。

21回目を数える多摩川クラシコを制するのは、F東京か川崎Fか。直接対決では川崎が9勝5分5敗と分がよく、直近の5試合でも4勝1敗と圧倒する。JFL時代から幾多の名勝負を繰り広げた両チームが4月27日(土)・味の素スタジアムで激突する。チケット発売中。