『モネ・ゲーム』(C)2012 Gambit Pictures Limited

『英国王のスピーチ』のオスカー俳優コリン・ファースとキャメロン・ディアスが主演する映画『モネ・ゲーム』が17日(土)から公開される。本作を手がけたマイケル・ホフマン監督は、“往年の名作コメディ”を手がかりに、現代の観客が楽しめるコメディをつくりあげたようだ。

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本作は、カタブツで少しだけツメが甘い美術鑑定士のハリー(ファース)が、美人だが天然キャラで少しだけ頭が弱いPJ(ディアス)を相棒に、モネの連作『積わら』の贋作を用いて、メディア王のシャバンダー(アラン・リックマン)から大金をせしめようとするも、次々に想定外のトラブルに巻き込まれる様を描いたエンターテインメント作品。

ホフマン監督はまず、ジョエル&イーサン・コーエンが手がけた脚本を読み、英国人鑑定士とアメリカのカウガールがコンビを組むことに“面白さ”を感じたという。「彼女は完全に自意識が欠如し、彼は羞恥心や屈辱に弱い。彼は必死で計画にしがみつき、仕事を達成しようとし、彼女は人間には立ち止まって互いを見つめ合い、話し合う瞬間があるということを認めようとしない。それが素晴らしい古典的なコメディに混ざり合う。ハリウッドの一時期のケーリー・グラントと、別の時期のキャロル・ロンバートが出会ったような感じなんだ」。

グラントもロンバートも男女が言い合いや喧嘩をしながら最後にはロマンティックな展開を見せる“スクリューボール・コメディ”の分野で数々の傑作を放ってきた名優だ。ふたりが“しゃべくり漫才”のように絶妙な掛け合いを見せる本ジャンルはファンも多いが俳優に課せられるハードルも高い。しかしホフマン監督は「この映画のコリンの演技は、どんなレベルにおいても最高の演技だ。しっかりとした、好感のもてる演技で、感情的な拠り所を与えてくれる。キャメロンには素晴らしい喜劇的な本能がある。コリン演じるハリーとの素晴らしいコントラストを描き出す。その古典的な正反対の構図と、最もあり得ないふたりがお互いを見出すところが、この作品の魅力だと思う」と語る。

正反対の性格の男女が協力し、反発し、裏切り、裏切られることで笑いと先の読めないドラマが巻き起こる。『モネ・ゲーム』のにはそんな“普遍的なコメディの魅力”がしっかりと描かれているようだ。

『モネ・ゲーム』
5月17日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー