辛源 辛源

世界で初めて女性がドラキュラ伯爵を演じて注目を集めた、和央ようか主演のミュージカル『ドラキュラ』が8月、新たなキャストを迎えて2年ぶりに再演される。ニューキャストとして参加する辛源(しん げん)が意気込みを語った。

ミュージカル『ドラキュラ』チケット情報

本作は、ドラキュラ伯爵(和央)とミーナ(安倍なつみ)の間に生まれた運命の恋が耽美的かつ叙情的に描かれるゴシック・ホラー。辛源は、ドラキュラ伯爵に会うためにトランシルヴァニアの城へとやってきたイギリス人の青年弁護士ジョナサン・ハーカーを演じる。この訪問をきっかけに、ドラキュラ伯爵は彼の婚約者であるミーナの写真に心惹かれ、ジョナサンを幽閉し、ミーナに接近していく。彼女もまた、ドラキュラ伯爵に心惹かれる自分を抑えることができない。一方、ジョナサンもヴァン・ヘルシング教授と力を合わせて、ドラキュラ伯爵を退治するため動き出すという、一時も気を休めることのできない展開が待ち構えている。

日本のみならずアメリカの舞台でも活躍する辛源。「夢はブロードウェイへの出演」と語る彼らしく、本作の出演が決まった際は、まず楽曲を聴いたという。「歌いがいのある曲が多くて嬉しかったですね。僕は難しくて歌えない曲を、歌えるようにチャレンジするのが好き。作曲のフランク・ワイルドホーンさんは大好きな作曲家で、自分のライブでも何曲か歌わせてもらっています。盛り上げ方が上手くて飽きないですし、予測を裏切るメロディが魅力ですよね」と、若いながらも作曲家の魅力を熟知していて頼もしい。

和央との初共演については「もともと男性が演じていたドラキュラ伯爵を、女性の和央さんがされるわけで、その演出は日本版ならでは。ぜひ間近で学びたい」と期待。他の共演者についても「初めての方ばかりで、新しい発見がたくさんありそう」と前向きだ。役作りについては「その役の本質は何なのかを考えて、役のアイデンティティをつかむようにしています。(ドラキュラ伯爵から)恋人を奪い返す、その感情部分が重要だと思ったら、自分の思い出を掘り起こしたり、経験がなければ人に話を聞いたり本を読んだり。過去に演じたドラッグクイーン役のときは、ゲイバーに通いつめて仕草や話し方を研究したりもしましたね」。今回の役どころについては「闇にどう翻弄されていくか。闇に対しての光は“愛”かな。そのせめぎ合いをどう表現できるか」とコメント。「日常生活にも闇と光があると思うんですが、ジョナサン役を通して、深い光と闇を追体験していただけたら。日本での舞台は1年半ぶりなので、たくさんの方に観に来てほしいです」と意気込みを語った。

公演は8月23日(金)から9月8日(日)まで、東京国際フォーラム ホールCにて。チケット発売中。

取材・文:大林計隆