東京の旗艦店である無印良品 有楽町に次ぐ広い売り場面積を有する西日本最大の旗艦店無印良品 グランフロント大阪。定番商品の充実はもちろん、ライフスタイルの提案や地域に密接したワークショップを行うなど、独自のサービスも展開する。無印良品グランフロント大阪 店長の松枝さんに同店の魅力をお伺いしながら、オープンに込められた無印良品の思いに迫る。

お客様が商品をアレンジできるサービスを充実

無印良品の根本的な考え方として掲げているのが「感じ良い暮らしをリーズナブルに提供する」。今回オープンした無印良品グランフロント大阪は、このコンセプトを具現化したサービスが集約されている。

松枝さん

松枝:「無印良品の商品は無駄を省いてシンプルに作っているものを、多く展開しています。無駄がない分、お客様自身でアレンジしながら商品を使うということを、一つのテーマとして掲げていますが、それが今の時代とすごくマッチしていると感じています。また、お客様の商品に対する考え方もすごく成熟していて、『こういう風に着たい』、『こういう風に使いたい』という具体的な考えを持って来店されることが多い。ですので、そういう思いを実現できるサービスを可視化するようにしました。

具体的には、洋服のリフォームやリペアができる『お直し工房』や自分の好きな文字や手描きのイラストを入れる『刺しゅう工房』などですね。商品をただ売るのではなく、お客様がアレンジして気持ち良く、長く使えるようなサービスを充実させるようにしています」。

“地域との交流の場”となるようなイベントスペースを設置

また、無印良品グランフロント大阪では、従来の定番商品に加えて、“Found Muji Japan”と掲げて、日本各地にある古いものや、それにアレンジを加えたものも販売している。

松枝:「ここ最近、お客様が単にモノを買うのではなく、モノ自体のストーリーを大事にしてモノを買われる方が増えている傾向があります。無印良品はチェーンストアということもあり、地元色をあえて出す取り組みは今までなかったのですが、時代とともに、固有の地を大事にしながらものづくりをしている、そういう思いを持った商品を無印良品でも発信していきたいと考えるようになりました。今回、大阪という土地に店舗を出すにあたり、大阪で生まれたものに対しても、無印良品はしっかり大事に伝えていきますという思いを店舗を通してお客様に発信したいと思いました。

グランフロント大阪のメインコンセプトに『新しい大阪のちからを、関西に全国に広げていく』がありますが、そういう場づくりをしようというスタンスに無印良品としてとても共感できる部分を持っています。今回の店舗オープンにあたっては、大阪府の方にご協力いただき、大阪材と呼ばれる大阪で認証された木材を使った『くるりんカー』という商品を先行発売します。

商品販売以外でも、無印良品が“地域との交流の場”となるようなイベントスペース『Open MUJI』を設けています。関西の作家さんたちと一緒になって参加できるイベントや無印良品の商品を使ったワークショップを現在企画しています。こういう地元のつながりを大切にした店舗づくりを積極的にやっていきたいと考えています」