「これから家事をしなきゃいけないのに~」

夕方になると、決まって泣き出す赤ちゃんに悩んでいるママはいませんか?夕食の準備、お風呂の支度、洗濯物の取り込みなど、夕方は何かと忙しい時間帯。そのタイミングで赤ちゃんに泣かれて「なぜ今泣く!?」と頭を悩ませているママは少なくありません。

一般的に、夕方に赤ちゃんがなくのを「黄昏泣き(コリック)」といいますが、一体何が原因なのでしょうか。

「ユア子育てスタジオ」の長岡真意子さんに、黄昏泣きの詳しい話について伺いました。

黄昏泣きとは何なのか

――黄昏泣きって具体的にどのような状況をいうのでしょうか?

長岡真意子さん(以下、長岡)「おむつも濡れていない、お腹がすいているわけでもない、寒くも暑くもなさそう。それなのに、夕方近くになると、赤ちゃんが火のついたように泣き出し、なかなか落ち着いてくれない。そんな赤ちゃんの状態を「黄昏泣き」といいます。

英語では「コリック」と訳され、人種・性別に関わらず世界中の赤ちゃんに観られる現象です。

赤ちゃんが「コリック」かどうかを見分けるための基準には、米国の小児科医モリス・ウェズル氏の提案した「3つのルール」というのがあります。それは、「明らかな理由がないにも関わらず、3週間続けて、1週間に3日、3時間以上激しく泣く」というもの。

また「3つのルール」の他にも、「激しく泣く」だけでなく、「一旦泣き出したら、あやしてもなだめても容易には泣き止まない」状態がみられることを、「コリック」とする場合もあります。

いずれにしても、愛おしい赤ちゃんが顔を真っ赤にして泣き叫ぶ状態が続くというのは、ママとして、心身共にへとへとになってしまいますね。」

――長岡さん曰く、上記の「3つのルール」の基準では、なんと世界で40%近くの赤ちゃんが、「コリック」と判断されるのだそうです。

黄昏泣きが多い傾向にある年齢・月齢

――黄昏泣きのピークの年齢や月齢はありますか?

長岡「赤ちゃんは、「~してほしい」といった気持ちを、言葉ではまだ訴えることができませせん。ですから、「泣く」ということは、赤ちゃんにとって大切なコミュニケーションの手段。

そうしてほとんどの赤ちゃんは、生後6週間ぐらいから、より泣くようになり、2か月頃をピークに、5~6か月頃には、泣く頻度も度合いもおさまっていきます。

黄昏泣きも、こうしたほとんどの赤ちゃんの発達と同じように、生後2か月頃をピークに生後5~6か月頃にはおさまっていきます。

黄昏泣きをする赤ちゃんとそうでない赤ちゃんとの違いは、「月齢」ではなく、泣く「頻度と度合い」、そして「何をしたとしても落ち着くのが難しい」ということにあります。

黄昏泣きは、一生続くわけではなく、数か月間という期間限定のこと。そう思い出すことで、お世話をするママも、少し気持ちが軽くなるのではないでしょうか」

一般的に生後7か月が経過する頃には、黄昏泣きは落ち着いているとのこと。「もう少しの辛抱…」と気持ちを切り替えることで、ママの負担も少なくなるかもしれません。