「なかなか好きな人ができない」「親しくなっても自分から遠ざけてしまう」「恋愛するのが面倒で、軽い遊びの関係ばかり選んでしまう」……そんな悩みを持つ人が、若い女性を中心に増えているようです。

最近メディアでも、恋愛に積極的になれない状態を指す“恋愛低体温症”という言葉を見かけるようになりました。そもそも、いまどきの若者の恋愛離れや結婚離れは、何年も前からよく話題になっているテーマですよね。

2017年10月に著書『恋愛低体温症』を出版した心理カウンセラーの高橋リエさんによると、恋愛ができない人、うまくいかない人の心理には、多くの場合、幼少期の親子関係が深く関わっているといいます。

つまり、ママやパパの育て方によっては、将来、子どもがうまく恋愛できなくなってしまうかもしれないということです。

では、子どもに幸せな恋愛や結婚をしてもらうためには、どんなことに気をつければいいのでしょうか?高橋さんにインタビューして、NGポイントや対策などを教えてもらいました。

他人への安心感が持てるどうかは3歳頃までに決まる

まず高橋さんは、恋愛低体温症と呼ばれる人たちの心理状態を次のように説明します。

高橋さん(以下、高橋)「人間には本来、人といっしょにいたい、つながっていたいという本能的欲求があるもの。

しかし、恋愛ができない、うまくいかない人は、他人に心を開くのが苦手で、恋愛に限らず対人関係に悩みを抱えているという特徴があります。基本的に、他人に対して安心感を持つことができないのです。

そんな人たちは、『人と親しくなると、傷つけられてつらい思いをするのではないか』『いつか嫌われるかもしれない』といった不安から、他人を過剰に警戒してしまうため、親しくなるのを無意識に避ける傾向があります。

恋人ができても、自分を犠牲にして相手の負担になるほど尽くしてしまったり、疑心暗鬼になって相手を責め立てたりして、結局、相手に去られてしまうことが多いのです」

高橋さんによると、恋愛低体温症とは、心理学で言う「愛着(他人との情緒的な結びつき)」の問題なのだとか。

愛着、すなわち他人に対する安心感が持てるかどうかは、主に3歳頃までの乳幼児期に、「ママといっしょにいて、安心できたかどうか」で決まってくるといいます。

高橋「我が子が健全に他人と親しくなり、安定した関係を築けるようになってほしいなら、ママは、乳幼児を常に安心させてあげる必要があります。

できるだけいっしょにいて、子どもの気持ちを優先し、やさしく接し、尊重することが大切です。

赤ちゃんや幼児が必要なとき、欲したときに、ママがそばにいて、適切に対応して安心させてくれれば、その子は『人といることで快い気持ちになれる』と学びます。

そのように育つからこそ、大人になってからも、親しい人間関係に安心感や心地よさを感じるられるようになるんです」