(左から)中田秀夫監督、前田敦子、成宮寛貴

数々のホラー作品を世におくり出し、“Jホラー”ブームを牽引する中田秀夫監督の最新作『クロユリ団地』の公開記念イベントが9日、東京・港区の豊川稲荷東京別院で行われ、中田監督をはじめ、主演を務める前田敦子と成宮寛貴が出席。本殿での“お祓い”とヒット祈願を行った。同日、本作の台湾同時公開が発表され、「台湾は日本びいきで、日本文化が浸透しているので反応が楽しみ」(中田監督)。前田らは現地での舞台あいさつに登壇する予定で「すごく楽しみ」(前田)と期待を寄せていた。

その他の写真

映画は、“謎の死”が相次ぐ老朽化した集合住宅・クロユリ団地を舞台に、前田演じる主人公が暮らす部屋の隣室で老人が孤独死した事件をきっかけに、次々と起こる恐ろしい怪奇現象が描かれる。「怖いもの見たさというのはもちろん、孤独や悲しみといった感情を描いた作品なので、グッと体感してもらえれば」(前田)、「普通のホラー映画とはひと味違った、身のまわりで起こりそうな身近なお話。ホラーが苦手な人にこそトライしてほしい」(成宮)とアピールしていた。

すでに“中田監督の集大成”との呼び声も高い本作に、当の中田監督も「原作の映画化ではないホラー作品は、デビュー作の『女優霊』以来。1年くらい脚本を練り、去年夏の暑い盛りに撮り上げた。泣けるホラー映画になった」と自画自賛。団地を舞台に選んだ理由を「現代の日本人をリアルに感じてもらえる場所。いい思い出も悪い思い出も含めて、観る人の心の奥に触れ、感情をゆさぶる物語にしたかった」と説明していた。

イベントには約100人のファンが招待され、映画のカギを握る謎の少年“ミノル君”のお面を着用。前田らはファンに向けて、清めの塩が入った大入り袋をバルコニーからまき、悪霊を清めるとともに映画のヒットを祈願していた。

『クロユリ団地』
5月18日(土)公開

取材・文・写真:内田 涼