前列左から、大空祐飛、蜷川幸雄、唐十郎、宮沢りえ。後列左から、窪田正孝、平幹二朗、古田新太、小出恵介 前列左から、大空祐飛、蜷川幸雄、唐十郎、宮沢りえ。後列左から、窪田正孝、平幹二朗、古田新太、小出恵介

Bunkamura シアターコクーンで7月・10月に上演される舞台『盲導犬-澁澤龍彦「犬狼都市」より-』と『唐版 滝の白糸』の合同製作発表会が5月9日、Bunkamura内で行われ、演出の蜷川幸雄、『盲導犬』に出演する古田新太、宮沢りえ、小出恵介、『唐版 滝の白糸』に出演する大空祐飛、窪田正孝、平幹二朗が顔を揃えた。

舞台『盲導犬』チケット情報

作品はともに1970年代前半に作家・唐十郎が演出家・蜷川幸雄へ書き下ろしたもので、唐戯曲の叙情性、スペクタクルな演出で評判をとった伝説の舞台だ。蜷川は「誇れるような演劇をもう一度作って、若い世代にあんな面白い芝居があったんだとわかっていただきたい」と意気込みを語った。

出演陣は、まずは『盲導犬』組から挨拶。伝説の“不服従”の盲導犬を探す主人公を演じるのが古田新太。「『盲導犬』は唐さんの宝石のようなセリフが散りばめられて、それを丁々発止のやりとりで演じていかなければならない難しい作品。大好きな唐先輩と大好きな蜷川先輩が死ぬ前に間に合ってよかった(笑)」。思い出をコインロッカーに封印された女を演じるのが宮沢りえ。「唐さんと蜷川さんの作品に出させていただくのは、今回で2回目。共演のおふたりに囲まれながら、どんな化学反応が起こるかを想像すると、ワクワクします」。主人公と奇妙な関係を結んでいくフーテン少年役には小出恵介。「蜷川さんとは5年前から舞台をやらせていただいていて、毎回苦しい闘いを強いられてきました。今回は古田さん、宮沢さんという最高のカイブツに囲まれて、カイブツごっこを楽しみたい」。

続いて『唐版 滝の白糸』組。妖艶な水芸人役の大空祐飛は「今回が宝塚退団後初の舞台。唐さんの戯曲に蜷川さんの演出という、大きな挑戦を与えてくださったことに感謝します。初めての興奮や緊張がいい意味で舞台にのるように全力で挑みたい」。禁断の恋に翻弄される青年役の窪田正孝は「蜷川さんから「思い切り楽しんでやってくれ」と温かい言葉をいただきました。役を通して蜷川さんにバンバンぶつかっていきたい」。過去を追い求める謎の男・銀メガネ役の平幹二朗は「若い空想力や筋力はないが、唐さんの言葉の魔力を頼りに、言葉で唐戯曲の世界を飛んでみたい」とそろぞれ意気込みを語った。

登壇者の中で唯一、唐戯曲、蜷川演出の舞台に出演経験のある宮沢は「台本を読んだ時はハテナマークが100個くらい浮かんだりした。言葉の飛躍がどんどんジェットコースターのように進んでいってついていけないんですけど、立ち稽古に入ると、ハテナマークがひとつもなくなって、飛躍していく世界にどんどん吸い込まれていく。それを追い越す瞬間もある。毎日発見があって、やめられなくなる」とふたりの舞台の魅力を語った。

『盲導犬』東京は7月6日(土)~28日(日)、大阪は8月3日(土)~11日(日)。『唐版 滝の白糸』東京は10月8日(火)~29日(火)、大阪は11月を予定。どちらの公演も東京はBunkamuraシアターコクーン、大阪はシアターBRAVA!にて行われる。