『マニアック』(C)2012-La Petite Reine - Studio 37

『ロード・オブ『マニアック』メイキング映像

・ザ・リング』三部作のイライジャ・ウッドが主演を務めるバイオレンス・スリラー『マニアック』のメイキング映像が届いた。80年代に製作され、カルト的な人気を誇る同名作をリメイクした作品だが、作り手たちは本作に“新たな試み”を盛り込んだようだ。

映画は、マネキンしか愛することができず、殺した相手の頭を剥ぐ男フランクのおぞましい凶行と、狂気の愛の行方を描き出す衝撃作。都市の死角で発生するおぞましい事件と、緊張感あふれる人間関係の行方を『P2』で高い評価を集めたフランク・カルフン監督が描いている。

このほど公開されたメイキング映像は、製作と脚本を手がけたアレクサンドル・アジャ、カルフン監督、ウッドらのインタビューと撮影風景をおさめたもの。アジャがオリジナル版へのリスペクトとリメイクへの意気込みを語り、カルフン監督はその想いを踏まえつつ「まだ誰も観たことのない斬新な映像を心がけた」と語る。リメイク版の大きな特徴は“主人公の視点の映像”が多様されていることで、相手を追いつめて次第に距離が近づいていく感覚や、殺めた相手のパーツを剥ぎ取る主人公の手のアップが随所に登場。メイキング映像では、身体に取り付けた小型カメラを背負い、演技をしながら撮影もこなすウッドの様子が収められている。

本作は残酷なシーンと、過激で極めて一方的な愛の行方が描かれているが、単純なスプラッターではないようで、カルフン監督は「美しいラブストーリーだよ。愛の物語だ」と言い、ウッドは「観客が感情移入できる人物を演じたかった」と振り返る。これまでのホラーやスプラッターは“追われる側”に視点があり、観客は恐ろしい殺人鬼が迫ってくる恐怖を味わってきたが『マニアック』では、これまでのホラー映画にはない“語り”を楽しめるようだ。

『マニアック』
6月1日(土)よりシネマサンシャイン池袋、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー