金澤慎(大宮アルディージャ)  (C)J.LEAGUE PHOTOS 金澤慎(大宮アルディージャ)  (C)J.LEAGUE PHOTOS

前節、大宮アルディージャのJ1リーグ戦無敗記録が止まった。2012年24節・浦和レッズ戦でスタートした記録は2013年7節・浦和戦で18戦無敗のJ1新記録達成となった。奇しくも2012年リーグ戦最後の敗戦となったのは23節・ベガルタ仙台戦であり、5月11日に無敗記録を21試合で止めた相手も仙台だった。

5月18日(土)大宮アルディージャ対湘南ベルマーレ J1リーグ戦 チケット情報

だが、試合後の指揮官に落胆の色はない。ベルデニック監督のコメントは「記録を気にしているのはメディアやサポーターの方々。記録と重圧から解放され、選手はこの先よりプレーに集中できると思う」と、サバサバしたものだった。なぜか。智将は知っているのだ。次のゲーム、ホームで迎える湘南ベルマーレ戦が重要になることを。

無敗記録は途切れたが、大宮は8勝2分1敗の勝ち点26で首位に立つ。リーグ2位タイの20得点、リーグ最小の8失点は1位にふさわしい数字だ。対する湘南は前節で勝利したものの2勝3分6敗の勝ち点9で16位である。10得点はリーグワーストタイ、22失点はブービー……。

大宮が集中力を切らさなければ、追い風は吹いたまま。大宮は守備でリズムを作る。コンパクトな守備陣形で相手の侵入を許さない。相手がボール回しをすれば、激しいプレスでボールを奪取する。ボールを奪えば一気にスピードアップ。ショートカウンターから5得点のノヴァコヴィッチ、4ゴールのズラタンの強力2トップがフィニッシュにつなぐ。守から攻へのチェンジ・ザ・ペースを担うのが、ボランチの青木拓矢&金澤慎である。青木と金澤は鋭い出足と当たりの強さ、無尽蔵のスタミナで相手の攻撃の芽を摘む。守備だけではない。青木はスペースを突く動き、金澤はミドルシュートという武器を持ち、ともに2ゴールをマークする。尽きることのない運動量は守備時のストロングポイントになるだけではなく、後半のアタック時、3列目からの飛び出しという確かなオプションにもなる。

もちろん、J1昇格組の湘南も勝機を見出そうと必死だ。いや、前節・FC東京戦で見せた必死さこそ湘南の武器である。ボール奪取に長けたハン・グギョン&永木亮太のボランチは、ラインを上げて相手にプレッシャーを与え続ける。ボールを奪えば即攻撃。ショートカウンターあり、ロングボールの放り込みありだ。全員が骨身を惜しむことなく走るサッカーが信条である。連敗時は相手の遅攻に合わせ、ずるずるとラインを下げてしまう悪癖が多々見られた。FC東京戦で2勝目を挙げた曹貴裁監督は「我々はうまいチームではないので、強い気持ちを見せないといけない」とキッパリ。湘南の指揮官も次節の戦いが持つ意味を知っている。7節のJ1初勝利後は3連敗を喫した。3連敗後の勝利をいかにつなげるか。大宮とは立場が違うが、12節は湘南にとっても今後を占う90分となるはずだ。

5月18日(土)・大宮アルディージャ×湘南ベルマーレ・NACK5スタジアムのチケットは発売中。