(左から)大槻ケンヂ、ナン子ちゃん、辛酸なめ子

インド映画を盛り上げようと、映画業界初の“ゆるキャラ”として宣伝活動を行うナン子ちゃんに注目が集まっている。18日に封切られた感動作『きっと、うまくいく』の初日舞台あいさつ(東京・シネマート新宿)に、同作をはじめとする“ボリウッド4”の応援団長を務める大槻ケンヂ、インド映画好きのコラムニスト・辛酸なめ子とともに登壇すると、駆けつけた約300人のファンから歓声を浴びていた。

その他の写真

ナン子ちゃんは、大槻が数ある候補から選んだ逸材で、顔が巨大なナンというキャラクター。生年月日とスリーサイズは非公表だが、身長167センチで血液型はB型。趣味はヨガと瞑想で、ラーメン、ごはん、ハウスバーモントカレーが大好物だという。発する言葉は「ナマステ」だけで、舞台あいさつでも健気に「ナマステ」を連発。その姿に大槻、辛酸もすっかり癒されていた。

映画はインドで圧倒的な人気を誇るアーミル・カーンが出演し、インド歴代最高の興行成績を記録した青春ストーリー。国内屈指のエリート理系大学を舞台に、自由人のランチョー、動物好きなファラン、常に神頼みの苦学生ラジューの3人が引き起こす騒動を描き、10年後、行方不明になったランチョーを探すミステリー仕立ての物語が同時進行する。スティーブン・スピルバーグやブラッド・ピットらハリウッドセレブを魅了し、各国でリメイク企画も進んでいる。

大槻は人気ミュージシャンのサザンオールスターズを例に挙げ、1998年に日本公開された『ムトゥ 踊るマハラジャ』が「勝手にシンドバッド」、『きっと、うまくいく』は「いとしのエリー」だと分析。90年代後半、日本では一過性のブームに終わったインド映画について「当時、もっと(本作のような)ヒューマンな映画が公開されたら、状況は違ったはず」と考察し、「インド映画らしい歌や踊りも、自然に組み込まれているし、どんな客層にも受ける」と太鼓判を押していた。一方、辛酸は「登場人物が語る言葉には、格言がたくさん。きっと生きるヒントになるはず」とアピールしていた。

『きっと、うまくいく』
公開中

取材・文・写真:内田 涼