めきめきライブがかっこよくなってくうえ新曲もバンバン披露して、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでシャムキャッツは今回、ミニ・アルバム『GUM』をリリースしたのであります。やっと本題に辿り着いた!わいわい!まずはこちら。

シャムキャッツ GUM
1,800円
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うおー!かっけぇーーーー!!!シャムキャッツの魅力のひとつに弦楽器のアンサンブルがあると思うんですが、後半の♪僕は今ちょー、以降の畳み掛けは、ヘッドフォンで聴いてると、ギターとギターとベースの絡み具合いに脳内で曼荼羅が渦巻いて浮世へ戻ってこれないような気持ちにすらなる。菅原くんのギターは不可思議だしバンビさんのベースの動きっぷりはんぱないし相反する夏目くんの歌の言葉数の少なさ。この抑揚がまじエロいぜシャムキャッツ。J-POP経由R&B/HIPHOP育ちのシャムキャッツ世代のバンドの子、っていう言い方もかなり雑な言い方ですが、その多くは、ある程度大量の音楽ジャンルを呑み込んだうえで音楽を作っているのだと思う。日本語のリズムをメロディに乗せるのが本当に上手だなぁと、ほんとに耳がいいしリズム感もいいなぁ昭和世代のリズム(aikoのライブ行くと、若い子は裏でとって手拍子するんだけど年配のひとは表でとって手拍子してる)とは違うなぁと思うんだけど、ときに言葉の詰め込みかたがトゥーマッチに感じることが、なくもない。実際に口にしたら歌えないよ、みたいなやつ。でも夏目くんの言葉の紡ぎ方って、奇をてらうわけでなく「どれだけ詰めれるか」よりも「どれだけ抜けるか」に挑戦して、日本語の心地いい響きを探ってるように思える。

 
ラジオかけよう

窓を開けたら往年の名曲が流れる

知らなくても君の事きっといいグルーヴが襲う


この「君の事きっといいグルーヴが襲う」の箇所!きみのこときぃぃっと、いい、ぐ、ルーヴ、がお、そーうー♪か!ら!の!バンビ兄さんによる不安コーラス(※)♪ライライライナウ、もうたまりません!!!屋台骨はキース・ムーンばりのアクションで力強く跳ねまくったリズムを叩き出す藤村氏。これまた軽やかにスタッカートつけて言葉に動きを持たせます。いやー、実にいい曲ですね。

シャムキャッツの曲って、一聴して「めちゃくちゃキャッチーだわ!」とは思わないんですが、じんわりと身体のなかに浸透してくる。そんでずぅっと芯がくすぶっている。気づくと、そこから抜け出せなくなっている感じ。冒頭にも言ったけど、4人それぞれが独特のリズムを持っててただでさえ一筋縄でいかないものが、さらに4人でグルーヴを生んでいるから、なんじゃないかと思ってる。アコースティックでのシャムキャッツのライブをみたときに痛感した、こういう静かな音でやっていてもここまでバンドのグルーヴって出てきちゃうものなんだなぁと。かつて夏目くんが「メンバーが誰かひとりでもやめたら解散すると思う」って話していたことを思い出した。

渋谷のWWWというライブハウスで彼らのライブをみたときもそう思った。必要以上にギラギラの場違いな照明がステージに当たり続けるなかで、そんなことまったく意に介さずTシャツでGパンでいつもの感じで演奏してるシャムキャッツが、無茶苦茶かっこよくてたまらなくセクシーでロックだった。あるアーティストに取材をしたとき言われたことがある。「僕らが高校生のころロックは本当にダサかったから、バンドは絶対にやりたくなかった。だからヒップホップを始めたんです」と。いま、ステージで演奏してるシャムキャッツを見ていて、身体いっこ×4でグルーヴを奏でる彼らを見ていて、なんか、別に「ロックは死んでない!」とか言うつもりはぜんぜんないし、ある世代のなかでロックがだっせえものだったってのも理解できるし、その発言をしたひともいまはそんなふうに思ってないかもしれないし、でも、そんな雑音をまったく気にせず普段着で自分たちの好きな音を自分たちの好きに演奏してる4人をみて、「超かっこいいロックバンド」ってこういうことなんじゃないのかなぁと思ったりした。バンドやってみてえ!と思った。彼らは「もっとかっこよくなるよ」をまじで有限実行しやがったのだなぁと痛感した。

シャムキャッツについて語るときに「千葉県在住」ってのをポイントに書いてる文章をいくつか見つけて、まぁそれはそれで正しいことであると思うんですけど、シャムキャッツについてはもっと世代論で誰かに語ってほしいと思う。26歳の若者たちのいまを、同世代の若者たちにもっともっと語ってもらいたい。彼らの持つラフな雰囲気、脱力感、だけど身体に染みてるリズム感や一筋縄でいかないストレンジさ、情熱、愛、息を吸って吐いて今を生きていこうとする音楽のことを。だって、夏目くんいつも言ってんじゃん、「シャムキャッツというロックバンドでーす」って。いつか彼らに取材できる日がきたら絶対に聞くんだ、「シャムキャッツというロックバンドです」と言ってライブを始める理由を。

 とにかく出たばっかりのミニアルバム『GUM』は素晴らしいし、いまのシャムキャッツはどのライブをみてもほんとかっこいいです。改めて、このバンドはきっともっとすごくなって日本語を使ったロックのまだ知らない新しい景色を私たちにみせてくれるだろう、と。楽しみです。

 ※聴いてるとなんだか不安に襲われるコーラスのこと。参考例として「忘れていたのさ」菅原くんによる♪快速とまるよ~も挙げられる。

  

【ライブスケジュール】
・スーパーネオンホール2011冬
出演者:シャムキャッツ/ metoba traffic/ミタメカマキリ/ マーガレットズロース/飯山ガキデカジャグストンパーズ/チョコレートタウンオーケストラ/ 前川エクスプロージョン ...and more
12月18日(日) 長野ネオンホール


・“優雅な袋小路”
出演者:シャムキャッツ/赤い疑惑/nhhmbase
12月22日(木) 代官山晴れたら空に豆まいて

・シャムキャッツ VS GENTLE FOREST JAZZ BAND
出演者:シャムキャッツ/GENTLE FOREST JAZZ BAND
シャムキャッツ VS GENTLE FOREST JAZZ BANDのチケット情報はこちら
2012年1月4日(水) 渋谷O-nest

・houseplan! vol.2
出演者:シャムキャッツ/the mornings/bed/MUGWUMPS/slight slappers ...and more
2012年1月8日(日) 下北沢SHELTER

・ufoclub 16周年記念「風狂と夜の会」
出演者:シャムキャッツ/朝生愛グループ/三輪二郎 and his band/壊れかけのテープレコーダーズ
2012年1月18日(水) 東高円寺U.F.O.CLUB

“1st MINI ALBUM『GUM』レコ発ライブ”
出演者:シャムキャッツ/朝生愛グループ/三輪二郎 and his band/壊れかけのテープレコーダーズ
2012年2月4日(土) 渋谷O-nest

・1st MINI ALBUM『GUM』レコ発ツアー
出演者:シャムキャッツ/moools/ジョセフ・アルフ・ポルカ
2012年2月24日(金) 名古屋 新栄Live&Lounge Vio

・1st MINI ALBUM『GUM』レコ発ツアー
出演者:シャムキャッツ ...and more
2012年2月26日(日) 難波ベアーズ

・1st MINI ALBUM『GUM』レコ発ツアー
出演者:シャムキャッツ ...and more
2012年3月10日(土) つくばkitchen Soya

・1st MINI ALBUM『GUM』レコ発ツアー
出演者:シャムキャッツ ...and more
2012年3月17日(土) 長野ネオンホール

・1st MINI ALBUM『GUM』レコ発ツアー
出演者:シャムキャッツ ...and more
2012年3月18日(日) 群馬club FLEEZE Asile

・1st MINI ALBUM『GUM』レコ発ツアー
出演者:シャムキャッツ ...and more
2012年3月23日(金) 京都拾得

・1st MINI ALBUM『GUM』レコ発ツアー
出演者:シャムキャッツ/the dokuros/valva ...and more
2012年3月24日(土) 神戸HELLUVA LOUNGE