カンヌ映画祭の様子

第66回カンヌ映画祭の結果が、フランス時間夜、発表された。是枝裕和監督の『そして父になる』は、審査員特別賞を受賞。舞台に立った是枝監督は、「ここにまた来るチャンスをくださった審査員の方々と映画祭に感謝します。福山(雅治)さんをはじめ、ひと足先に帰ったキャストのみなさんと一緒に喜びたいと思います。また、私を産んでくれた私の父、そして私を父にしてくれた妻と娘にありがとうと言いたい」と語った。

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最高賞のパルムドールに輝いたのは、フランスのアブデラティフ・クシュシュ監督の『Blue is the Warmest Color』。少し年上の女性と恋におちた17歳の女子高生の人生を、数年にわたって追う3時間の恋愛ドラマだ。女同士の過激なセックス描写もふんだんにあるが、審査員長のスティーブン・スピルバーグは、「これは素晴らしいラブストーリー。あれらのシーンも、決して見ていて恥ずかしいとは感じなかった。むしろ、あんな感情の奥深い部分に迎え入れてもらえたことを、特権のように感じた」と、選んだ理由を説明した。

グランプリは、ジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督の『Inside Llewyn Davis』が受賞。60年代のニューヨークを舞台に、売れないフォーク歌手の葛藤を描くコメディだ。この作品に主演したオスカー・アイザックも男優賞の有力候補とささやかれていたが、男優賞はアレクサンダー・ペイン監督の『ネブラスカ』に主演したブルース・ダーンが獲得。女優賞は、『The Past』のベレニス・ベジョが受賞した。主な受賞結果は以下のとおり。

<主な受賞結果>
パルムドール 『Blue is the Warmest Color』アブデラティフ・クシュシュ監督
グランプリ 『Inside Llewyn Davis』ジョエル&イーサン・コーエン監督
審査員特別賞 『そして父になる』是枝裕和監督
監督賞 アマト・エスカランテ監督(『Heli』)
脚本賞 『A Touch of Sin』ジャ・ジャンクー監督
男優賞 ブルース・ダーン(『ネブラスカ』)
女優賞 ベレニス・ベジョ(『The Past』)

文:猿渡由紀