MUSIC COMPLEX 2013,Spring supported by JCBの模様 MUSIC COMPLEX 2013,Spring supported by JCBの模様

5月24日(金)中野サンプラザ。ぴあが企画と主催を手がけ、ジャンルや世代を超越し新たな音楽との出会いをプレゼンテーションするイベント「MUSIC COMPLEX 2013,Spring supported by JCB」が行われた。

トップバターを務めたのはさかいゆう。超ファンキーなサウンドを繰り出すギター、ベース、ドラムを率い、自身はグランドピアノをタッチの強い奏法で操り、独特のグルーブを生み出していく。そして唯一無二のボーカルで一気に会場を埋めた観客の気持ちをつかんだ。4曲目でスティーヴィー・ワンダーのカバー『スーパースティション』をさかい色満載のアレンジで聴かせた。最後に今は亡き親友に歌ったという『君と僕の挽歌』で締め括った。

続いて登場したのはRHYMESTER。日本のヒップホップ・シーンのパイオニアとしての貫禄で会場のボルテージを最高潮に。宇多丸が「MUSIC COMPLEX。オレ、今日来てるお客さんはよくわかってるんだと思うよ。この3組の組み合わせなら“あっ、なんか演んだろうな”って。癪なんだけどね、“どうせあいつら勝手にまぐわいだすんだろ”って」と場内を笑わせて、さかいゆうをステージに呼び込む。ライブで演るのは初めてというコラボ曲『Magic Hour feat.さかいゆう』を披露。締めは『The Choice is Yours』で強いメッセージを発信してくれた。

そしてこの日のトリを飾ったのはゴスペラーズ。日本屈指のボーカル・グループとしてコーラス、ダンス、そしてMCまで圧巻のパフォーマンスを惜しげもなく繰り出す。この日二度目のまぐわいとしてさかいゆうをステージに招き、まずは軽いトーク。ゴスペラーズが昔から好きだったと言うさかいが彼らの初期の楽曲の話題を振ると即興でそのナンバーを6人でセッション。そして名曲『永遠に』をアカペラで披露。美しいボーカルの響きが圧倒的な感動を呼んだ。さらにはRHYMESTERが登場してコラボ曲『ポーカーフェイス』。貴重な共演が次々と実現するステージ。『いろは2010』では村上てつやがサックス、北山陽一がトロンボーンも演奏してさらに彩りを加えていく。そしてこの日一番のみどころは最後に3組が登場して繰り広げられたセッション。これまでリリースされた楽曲の披露だけじゃもったいないとばかり、この日限りのコラボに選ばれたのはマイケル・ジャクソンの名曲『Rock With You』。それぞれの個性を遺憾なく発揮し、この日のキーワードとなった“まぐわい”の頂点を魅せてくれた。異種格闘技と思われた3組のイベントは終わってみれば極めて息の合った究極のエンタテインメントに。贅沢なコラボレーションの実現に、詰めかけたファンも実に満足そうだった。