『リアル』日本外国特派員協会の会見に登壇した佐藤健と黒沢清監督

第9回“このミステリーがすごい!”大賞受賞作を映画化した『リアル〜完全なる首長竜の日〜』が8月に開催される第66回ロカルノ国際映画祭の“Concorso internationaziole 部門”に出品されることがわかった。28日に東京・有楽町の日本外国特派員協会で行われた記者会見で発表され、主演を務める俳優の佐藤健、メガホンを執った黒沢清監督が喜びと抱負を語った。

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特に佐藤は、所属事務所の先輩にあたる福山雅治の主演作『そして父になる』(是枝裕和監督)が、第66回カンヌ映画祭コンペティション部門で審査員賞を受賞したばかりとあって「福山さんの映画がカンヌで受賞したと聞いて、同じ日本人として嬉しい」と喜びもひとしお。そして「日本映画が盛り上がる中、『リアル』も後に続け、というわけではありませんが、作品に携わったみんなのためにもロカルノで結果を残せたら」と国際舞台への意気込みも十分だった。

原作は乾緑郎の『完全なる首長竜の日』。主人公の浩市が、昏睡状態の患者と意思疎通できる脳神経外医療の一種“センシング”によって、自殺未遂した恋人・淳美を昏睡状態から目覚めさせようと試みる。佐藤が浩市を、綾瀬はるかが淳美を演じ、ダブル主演を果たしている。「意識の中って、どんなことをしても“正解”なので、俳優としてどんな芝居を選択すべきか悩みました。難しかったですね」(佐藤)。

黒沢監督は、外国人記者から代表作『回路』(2001年公開)との共通点を指摘され、「確かに若い男女のラブストーリーという意味では似ているかもしれない。撮影している途中は、全然気づきませんでしたが(笑)。こうしたテーマは僕の映画では珍しいし、10年に1本くらい」と説明。また「予想とは違う作品だった」という意見には、「そう言われるのが一番嬉しい。海外の皆さんが多く集まる今日の会見を、(国際映画祭への)第一歩だと思い、いい材料として捉えたい」と静かに闘志を燃やしていた。“Concorso internationaziole”は、世界各国からジャンルを問わず約20の作品が集められる国際コンペティションの部門。

『リアル〜完全なる首長竜の日〜』
6月1日(土)より全国東宝系ロードショー

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