『オブリビオン』に出演したオルガ・キュリレンコ

トム・クルーズ主演最新作『オブリビオン』で物語の鍵を握るミステリアスな美女ジュリアを演じたオルガ・キュリレンコが、映像派ジョセフ・コシンスキー監督が創出した映像美を力説するとともに、本作のような超大作へ出演を決めた“意外な理由”も吐露した。

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エイリアンの猛攻撃で地球が全壊した2077年を舞台に、地球でパトロールをする任務に就くトム・クルーズ演じるジャック・ハーパーが、墜落した宇宙船で眠る美女ジュリア(キュリレンコ)と出会い、衝撃的な“真実”を知るまでを描くエンターテインメント超大作。近未来を表現した未体験の映像世界は必見だが、脚本を受け取った活字だけの段階では「イメージが難しかったわ(笑)」と苦労を明かす。「バブルシップ、テッド、スカイタワー……何それって思った(笑)。でも、コシンスキー監督とディスカッションをして全体のイメージを固めながら、美術部が書いたデザインを部屋の壁に貼って、世界観を理解したのよ」。

007シリーズ『慰めの報酬』のボンドガール役で知名度を上げたオルガは、女優としてのキャリアは短いものの、多様なジャンルに意欲的に出演を重ねている。「ストーリーやキャラクターが何か心に触れること、とにかく挑戦したいという思いになること」が出演の条件だそうだが、本作の場合“意外な理由”も決め手になったという。「この映画は、恋愛の要素が強いと思ったわ。人は愛し続けることが可能か、というテーマよね。それと、わたしはウクライナ出身だけれど“なかなか語られない”。だから、わたしが『オブリビオン』に参加しなければという強い気持ちもあったわ」と祖国への愛も理由にあったという。

その彼女の願いは本作の全世界的な公開の後、叶うような気がしてならない。完成した映画はオルガ演じるヒロインにまつわる“究極の愛”のテーマで話題を集めそうな上に、「思っていた以上の映像美に驚いたわ!」とオルガ自身が言うように、誰もが驚愕する前述の未体験の映像世界も用意して待っている。「地球が壊滅した後の世界だけれど、とても美しく描いているわ。だから自然環境へ想いを馳せる人たちも出てくると思うけれど、それも素敵なこと。ロケ地のアイスランドは、驚異的で多様な風景だったわ。砂漠、氷河、火山、森林、滝、そのすべてが、車で行ける距離にあったのよ。メランコリーを感じてほしいわ!」。

『オブリビオン』
5月31日(金)TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー

取材・文・写真:鴇田 崇