大森南朋&二階堂ふみで描く、教師と教え子の禁断の愛

2013.5.30 17:39配信
M&Oplaysプロデュース『不道徳教室』 M&Oplaysプロデュース『不道徳教室』

大森南朋と二階堂ふみが主演を務める舞台『不道徳教室』が、5月29日(水)、KAAT 神奈川芸術劇場大スタジオで開幕。本作は、岩松了が川端康成の小説『みずうみ』にインスパイアされた新作で、岩松は演出と出演の3役を兼ねる。

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高校生の須佐あかねは、親友の元木久子(=チャコ)、有田弥生と共に、後にグレイと名づける帰還兵を秘密基地でかくまっている。高校教師の山城は、自分の教え子であるあかねに惹かれ、家まで彼女をつけて行く。そしてついに、教師と生徒という一線を越えてしまった山城とあかね。ある日、そんなふたりの関係が明るみとなり…。

教師が教え子をストーカーするという、衝撃の内容である。しかし本作から浮かび上がるのは、ストーカーという言葉から連想されるような犯罪的なものではない。強く思うがあまりにどうしても少女を追ってしまう男と、その男の思いを静かに受け止める少女。そこには他の者が介入し得ない、ふたりだけが共有できる美しさがあるようにも映る。だが、ふたりの関係に変化が訪れる時、物語は大きな展開を迎えていく。

岩松が描き出したのは、不器用過ぎる愛のかたち。そしてその愛は、時に絶望にも狂気にも姿を変えてしまう。だが全体を通して幻想的な雰囲気が漂うのは、岩松の美しく、詩的なセリフによるところが大きいだろう。さらにシリアスな内容でありながら、要所要所には岩松らしい笑いも。特に女子高生3人のやり取りは、この年代ならではの無邪気さと、ユーモア溢れる岩松の言葉選びが相まって、非常に楽しいシーンとなっている。

若さゆえの輝きをふりまきながら、子供と大人の間を自由に行き来する。そんな少女ならではの危うさを、独特な空気感と天性の魅力で体現して見せた二階堂。その存在感は圧倒的で、彼女なくしてこの舞台の成功はあり得なかったであろう。大森が岩松作品に出演するのは、今回で3度目。それだけに岩松作品への理解度も高く、持ち前の色気と演技力をもって、ストーカー行為という屈折したかたちでしか愛を表現できない男を見事演じ切った。

ほかにチャコ役に趣里、弥生役に大西礼芳、物語のキーを握るマッサージ嬢のリカコ役に黒川芽以が出演。またあかねが通う学校の教頭役を岩松が演じている。

ストーカーから始まった禁断のラブストーリー。ふたりが辿る美しくも切ない愛の行方を、ぜひ劇場で見届けて欲しい。

神奈川公演は6月4日(火)まで。その後、6月8日(土)から23日(日)まで東京・シアタートラムでも上演される。

取材・文:野上瑠美子

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