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平昌オリンピックを2か月後に控える今冬、スタースケーターたちが滑ってきた名曲を楽しむコンサート「SKATING MUSIC CONCERT」が行われる。出演は、ヴァイオリニストのSONGiL、ソプラノ歌手のチョン・ウォルソン、ピアニストの追川札章。このうちのSONGiLに、スケートと音楽への思いを訊いた。

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「フィギュアスケートには音楽が不可欠。名曲揃いなので、テレビでよく見ます。ヴァイオリンの弓と弦は、スケート靴の刃と氷の関係に少し似ていますね。スケートはレベルが高い選手でも転ぶ可能性がある競技ですけれども、ヴァイオリンも、指が1ミリでもズレれば音程がズレますし、緊張で硬くなると弓が弦の上をまっすぐ滑らずスリップする危険性がある。ちょっとしたことで音色が変わるため、同じヴァイオリンでも弾く人によってまるで違うのですが、浅田真央さんとキム・ヨナさんもそうですよね。僕は作曲をしたりピアノを弾いたりもするので、その意味では王道というよりオンリーワンなスケーターにも惹かれます」

SONGiLは今回、浅田真央の弾むような演技が思い出される『チャルダッシュ』や、高橋大輔・荒川静香・鈴木明子がそれぞれドラマティックに演じた『オペラ座の怪人』などを演奏。「『チャルダッシュ』は今年、北海道の定山渓でボリショイ・サーカスの人達と共演した『華麗なるベネチアンサーカスショー』でも弾きました。クラシック曲として有名ですが、もともとジプシーの音楽なので、様々なアプローチで演奏できる曲です。『オペラ座の怪人』は普段からiPodに入れて聴いたり映画を見たりしている、大好きなミュージカル。昨年リリースしたアルバム『EXOTOPIA』では、ファントムが歌う曲を自分でアレンジしてメドレーにして入れました。どの曲も、好きな選手の場面を思い浮かべ、色々なことを思い出しながら、聴いていただけるのではないでしょうか」

ヴァイオリンを「人間として気づいたらやっていた(笑)」と語るSONGiL。練習が嫌でたまらない時期もあったが、中学生の途中から作曲を手がけるようになり、楽しくなったという。「僕がヴァイオリンで、ピアノやドラムやベースなどとバンドを組み、自分の曲を演奏したり知っている曲を編曲したり。熱中すると同時に、これが自分のやるべきことだと思うようになりました」

SMAPや東方神起、IL DIVO、Bjorkなどのサポートミュージシャンを経て、現在、自身の演奏活動を展開しながら音楽プロデュースもこなすなど、多彩な活躍を見せる。「スポーツや音楽は政治よりも簡単で、良いものは良いという世界。コリアンとして生まれ、日本で育った身としては、音で両国を繋ぎたいという気持ちがあります。音に全てを込めて表現し、プレミアムなコンサートにしたいですね」

「SKATING MUSIC CONCERT」は1月26日(金)東京・音楽の友ホールで開催。チケット発売中。

取材・文:高橋彩子