『奇跡のリンゴ』初日舞台あいさつの模様

感動の実話をベースにした話題作『奇跡のリンゴ』が8日、全国で封切られ、夫婦役で共演する阿部サダヲと菅野美穂が、東京・有楽町の日劇で開催された初日舞台あいさつに出席した。

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日本最大のリンゴ生産地・青森を舞台に、それまで絶対に不可能だといわれていた“リンゴの無農薬栽培”に11年もの間、挑戦した木村秋則氏の実話を映画化。阿部が木村氏を、菅野が農薬に体を蝕まれながら夫と共に無農薬栽培に挑む妻・美栄子さんを演じる。

主演を務める阿部は「(リンゴ作りに成功する)結末が分かっていても、木村さんの辛い苦労を考えると、やっぱり泣けてくるんですよ」としみじみ。「木村さん本人は歯が無くて(笑)、せっかくのリンゴが食べられない。ある意味、ムチャクチャな人です」と笑いを交えながら、役柄を振り返ると同時に、「現場では菅野さんに助けられた。“菅野さん”ではなく、“かあさん”と呼びたい」と共演した菅野に感謝の意。この日は、初めて木村氏が栽培する本物のリンゴを試食する機会を得て「うんめえー」と大喜びだった。

一方、菅野は「見たことない顔を何度となく見せてくれた。俳優として尊敬し直した」と阿部に対し絶賛のコメント。さらに「阿部さんはできる子。えらいわねえ」「いい俳優さんなんだから、長生きしてね」などコメントの端々に“母親目線”も垣間見せ、阿部の「かあさんと呼びたい」発言を証明する形となった。

舞台あいさつには木村氏の親友を演じる池内博之、夫婦を明るく照らす三姉妹を演じた子役の畠山紬ちゃん、渡邉空美ちゃん、小泉颯野ちゃん、メガホンを執った中村義洋監督も登壇。5月にイタリアで開催されたフィレンツェ映画祭でオープニング作品として上映され、“観客賞”を受賞しており、「こうして日本で初日を迎えるのは感無量」(中村監督)。そして「木村さんには及ばないが、新人監督のつもりで3〜4年をかけて取り組んだ作品。今はどんどん強い映画になっていると感じている」と誇らしげに語っていた。

『奇跡のリンゴ』
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