真木よう子

映画『さよなら渓谷』のヒット祈願イベントが6月10日、神田明神(東京・千代田区)にて行われ、主演の真木よう子をはじめ、大西信満、鈴木杏、鶴田真由、大森立嗣監督が浴衣姿で祈祷に臨んだ。

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原作は『悪人』『パレード』などの著作がこれまでも映画化されてきたベストセラー作家・吉田修一氏の小説。幼い子どもが亡くなった事件が起きた家の隣に住む内縁の夫婦が、実は以前に起きたある事件の加害者と被害者であることが判明する。やがて男は事件の重要参考人として警察に連行されるが…。

涼しげな水色の浴衣姿で登場した真木は「気持ちがシャンとしますね」とニッコリ。7年ぶりの単独主演作のヒット祈願とあって祈祷中は「ただただ『ヒットするように!』と反復してました」と明かす。撮影は去年の夏から秋にかけて行われ、壮絶な過去、そして複雑きわまりない感情を内包する主人公を演じたが真木は「去年の夏、映画で演じたというよりも本当に過ごした期間のようで、主人公のかなこになりきってました。題材が題材なので軽くはできないし、気づかないうちに役と同化していた」と振り返る。

事件の加害者と被害者が互いを必要とし、同居するという関係について真木は「明確な言葉で『愛』、『幸せ』、『不幸せ』ということは言えないけど『それも愛のひとつ』と言えるようなシーンや行動が散りばめられている」と分析。大西も「『愛』という言葉で連想するほど甘くはないけど、そこに何かが存在している」とふたりの間に確かに存在する感情について語った。夏から秋にかけて数多くのシーンを共にしたふたりだが真木は「大西さんはとにかく真面目。一緒に芝居してて信頼できる方です。セリフが多くなく、表情や目で訴えるシーンも多いけど、その目に嘘がないので信頼できた」と共演を述懐。大西も「“真木よう子”ではなく“かなこ”と過ごした濃い時間でした」とうなずいた。

決して明るいトーンの作品ではないが、撮影現場の雰囲気がそこに引きずられるようなことはなかったようで真木は「飲みに行ったり、みんなで焼き肉に行ったりもしました」と明かす。鈴木は「一度、みんなでご飯に行きましたが、大西さんは寡黙なようでよくしゃべる。真木さんはすぐにカラオケに行こうとするんです」とふたりの意外な素顔を明かす。この3人との共演シーンがなかった鶴田は「私は2日だけだったのでいいなぁ…。私も飲みに行きたかったです」と残念そうな表情を浮かべていた。

『さよなら渓谷』
6月22日(土)より全国ロードショー