YouTube上で公開中のパナソニックの冷蔵庫のTVCM

【<新連載>CM・意識調査から考える】 家電メーカーは、夫婦がともに働いて収入を得る「共働き世帯」の増加をチャンスとみる。高機能だが、その分、価格の高い最新技術を搭載した製品も売り出せるようになった。 パナソニックは、「ふだんプレミアム」と題してシリーズ展開する高級エアコンや冷蔵庫などのCMをテレビでオンエアし、YouTube上でも公開している。その一つ、冷蔵庫編「おいしい7days」について、ジャーナリストの治部れんげさんは、「よくできているな、と思う」とツイート。訴求しているのは、高機能家電ではなく、「ワンオペではない育児環境」であり、「平日夜にあたりまえのように帰宅して子どもピックアップし、夕食をつくる夫」。程度の差はあれ、おおむねワンオペ(一人ですべての作業をこなすこと)で日々、家事・育児に忙殺されている女性たちが抱えている悩みに寄り添い、理想の日常を描いていると好意的だ。

一方、同じCMを見て、後片付けシーンが描かれておらず、結局、誰が食器洗いやゴミ捨てなどを行っているのかと疑問に思い、「冷蔵庫」の訴求から、直接的には関係のない後片付けシーンを抜いてしまうあたりに、あと一歩、踏み込みが足りないと感じた。本来なら、料理は食材の買い出しから、調理器具・食器の手洗い、または予洗い・食洗機へのセット、洗った食器類の片付け、ゴミの分別・ゴミ捨てまでが一つのフロー。しかし、あくまで女性が担う家事を「手伝う」、または、趣味の一つとして好きな時にやるという程度の意識しか持たない男性は、えてして片付けはやらずに丸投げだ。

ちなみに「ワンオペ育児」は2017年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされた。この言葉自体は、ママクラスタの間で、もう少し前から使われている。受賞こそ逃したが、今年、そして「これから」を象徴するキーワードだ。

肉体的にも精神的にも負担の大きい「ワンオペ」だからこそ、ロボット掃除機や、買い物のために店に行き、重い荷物を持ち帰る必要のないインターネット通販や食品宅配サービスなどが支持され、リアル店舗ではカフェを併設するケースが増えている。落ち着けない自宅に帰る前に休憩する場所が切実に欲しいからだ。こうした現状は、改善に向けたさまざまな啓発が必要な問題だが、ビジネスの視点でみると、そこに商機がある。(BCN・嵯峨野 芙美)

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