Sizna:音楽番組に当時L'Arc-en-Cielがよく出てたんです。最初はボーカルになりたくて。中学の文化祭でボーカルをやったんですけど、ギターやってた子たちの方がキャーキャー言われてたんで羨ましいなと思ってギターに持ち替えて。それで高校生になったら先輩のバンドに誘われて。

Hitomi:俺はすごく映画好きの小学生だったので、映画雑誌や映画のサントラを買ったりしてて、映画のサントラを聴くうちに、なんとなくロックというものに興味を持ち始めました。最初は外タレばっかりだったんですけど、日本のロックにも興味をもつようになり、目に止まったのが筋肉少女帯で。橘高さんのヴィジュアルに惹かれて。橘高さんのことは最初は女性だと思っていて「めちゃめちゃこの人好みだ」って(笑)。その当時、プリンセス プリンセスの中山加奈子さんが好きだったんで。ちょっとロックなテイストの不良な感じがする派手な女の人が好きだったんです。

それで筋肉少女帯を聴いてみて、男性だったと知って衝撃を受けて。それで他にもLUNA SEAやX JAPAN、BUCK-TICKみたいに男の人でそういう風に綺麗にしてる人がいることを知って、「これになろう!」と。中学2年生の時に「ヴィジュアル系になろう!」と思ったんです。

憧れてる人にギタリストが多かったんで、最初はギタリストになりたかったんだけど高校の軽音部に入ったら、部員がギターばっかりで。「ドラム・ベース・ボーカルがいなさすぎてバンドにならないじゃないか!」と。それで俺は結局ボーカルをやることになったんです。あとはその当時Gilles de RaisのJOEさんのすごいファンだったので、ライブに行くたびにかっこいいなあ、ボーカルいいなあ、と思って。
 

――7月10日にマキシシングル『ホロウマン』がリリースされます。こちらに収録されている楽曲は『ホロウマン』『エスター』『フカミドリ』、全部カタカナなんですね。

Hitomi:意図的にパッと見ただけですぐ言葉が入って行きやすいものにしたくて。実際、英語で長いタイトル表記だと読まない人ってすごく多いなって思うんですよ。そりゃあすごくコアなファンの人達だったら、興味を持ってその言葉の意味がなんであるかを知ろうとしてくれてるだろうけど、そんなに興味が無い人だったら、入って行きにくいのかなって。今回あまりMoranを知らない人たちでもスッと入っていけるようなアプローチにしたいなと思って全部のタイトルをあえてカタカナにしました。

――表題曲『ホロウマン』ですが、直訳するとホロウは「虚ろな」、あるいは「ぼんやりしている」などの意味があります。

Hitomi:そうですね。もともとタイトルは皆で決めたんですけど、歌詞の内容的に透明人間に関するタイトルがいいなあと話し合っていた時にSiznaから「Hollow Man」という言葉が出てきたんです。

Sizna:『インビジブル』という透明人間が主人公の映画があるんですけど、その原題が『Hollow Man』なんですね。これは覚えやすいしかっこいいなって。

Hitomi:意味を調べたら「虚ろなる男」という意味で、「あ! ぴったりだ!」となりました。