宝塚歌劇雪組『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』 宝塚歌劇雪組『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』

宝塚歌劇雪組『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』東京公演が6月14日、東京宝塚劇場で開幕した。2014年の劇団創立100周年を目前に盛り上がる中での、タカラヅカを代表する名作中の名作の上演であることに加え、雪組新トップコンビ壮一帆、愛加あゆのお披露目でもあり、注目が集まっている公演だ。

『ベルサイユのばら』はフランス革命を背景にした池田理代子による人気漫画を原作とした作品で、宝塚歌劇団ではさまざまな登場人物を主人公に、数々のバージョンで上演を繰り返しているが、今回雪組が上演しているのは〈フェルゼン編〉。スウェーデンの青年貴族フェルゼンと、フランス王妃マリー・アントワネットの哀しい恋を中心に描くものだ。フェルゼンを演じる壮は『ベルばら』に縁深く、今回で実に6回目の『ベルばら』出演。フェルゼンは初挑戦ながら、許されざる恋に情熱を傾ける青年を、気高くも温かく演じ、観る者を魅了する。また、さすがに作品の世界観を熟知しているようで、宝塚の様式美が凝縮されたような世界を見事に体現する熱演を見せていた。

同日行われた通し舞台稽古後の会見では、「(経験から)変に落ち着いちゃってるね、と思われないように、情熱的にやっていきたい。雪組は2006年に〈オスカル編〉で『ベルサイユのばら』を経験しているので、その経験者たちが誇りをもって取り組んでいる。みんなの並々ならぬ『ベルサイユのばら』への情熱を感じていただければ」とアピール。さらに新しく壮のために追加されたシーンに触れ「新しく国境警備隊の場面を書いていただいて、私なりのフェルゼン像がより明確にできあがった気がしてとても嬉しく思います。壮一帆のフェルゼンはかなり“アクティブなフェルゼン”になっているかな」と自身の役どころについて語った。また、2006年まで所属していた雪組に、花組を経て再び戻ってきた壮だが「久しぶりに雪組に帰ってきましたが、以前と同じく家庭的な温かい空気がこの組には常に流れています。それはどんなにトップが変わっても変わらない、雪組の伝統のひとつなのかも。お客さまにもそのチームワーク、絆の深さを舞台を通してお伝えできれば」とも話していた。

公演は7月21日(日)まで行われる。

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