宝塚歌劇花組公演『戦国BASARA-真田幸村編-』 宝塚歌劇花組公演『戦国BASARA-真田幸村編-』

宝塚歌劇花組公演『戦国BASARA-真田幸村編-』が6月15日、東京・東急シアターオーブにて開幕した。330万本もの販売数を誇る人気ゲームが原作で、ゲーム以外にもアニメ、映画、舞台、ドラマと多彩に展開されている人気コンテンツ。今回は初のミュージカル化で、衣裳や小道具などゲームの世界を忠実に再現したビジュアルと、宝塚らしい華やかさが融合された面白いステージが出来上がった。

ゲームでは様々な武将が登場するが、今回は真田幸村をフィーチャー。彼が葛藤しながらも成長していく様や、身寄りのない娘とのほのかなラブストーリーなどを織り込み、人物の内面的な部分も描いているのが宝塚らしい。ただ、通常の歴史モノにはない、ゲームらしい荒唐無稽な武器を手にしての戦闘や、LEDスクリーンを使っての派手な演出など、従来の宝塚にはない試みも盛りだくさん。主演を務める蘭寿とむは熱血漢という設定の幸村にぴったりの熱い演技で、また中性的なキャラクター・上杉謙信役の明日海りおは麗しく、と、それぞれの細かいキャラクター造形もゲームファンをも唸らせること請け合いだ。

初日前日に行われた公開舞台稽古後の会見では、「初日から、パワー全開で皆さんにお届けできたら」と熱血漢・幸村らしい熱いコメントをした蘭寿だが、会見に同席したカプコンの小林裕幸プロデューサーに「衣裳とか兜とか、大変ですよね」と話を振られると、「そうなんです(笑)。再現率の高い衣裳なんですが、これで立ち回りとか…。武器も重くて、捌くのが大変。もっと筋力をつけないと。伊達(政宗。春風弥里が演じる)さんの6本の刀とのやりとりなども大変なのですが、そのあたりも見どころにしていただければ」と苦労を語る一幕も。謙信役の明日海も「いつも歌劇で使用するものより武器がかなり長いので、すごく扱いが難しいのですが、早く動けるよう頑張りたい」と武器捌きに苦労している様子。しかし小林プロデューサーからは「『戦国BASARA』ならではの宝塚さんとのコラボレーションがしっかりできているんじゃないかなと思います。戦国なんですが、その中にも華があり、歌と踊りがある。ミュージカルという新しい舞台がしっかりできているし、皆さん各自でBASARAのキャラクターを研究されているので、何も言うことがない」と満足気な言葉が贈られていた。

公演は7月1日(月)まで行われる。一般発売分のチケットはすでに予定枚数を終了しているが、チケットぴあでは全公演、当日券を販売。各公演日前日の10:00~18:00にチケットぴあ当日券専用ダイヤル0570-00-0062にて受付する(予定枚数に達し次第販売は終了)。