『ラーメンより大切なもの~東池袋 大勝軒 50年の秘密~』 (C)2013 フジテレビジョン

東池袋大勝軒の創業者で、“ラーメンの神様”こと山岸一雄氏の半生と人物像にスポットを当てたドキュメンタリー映画、『ラーメンより大切なもの~東池袋 大勝軒 50年の秘密~』が公開されている。そこで本作のエンディングテーマの作曲を担当した久石譲が、楽曲に込めた想いや、作曲にまつわるエピソードを語る動画が公開された。

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本作は、2時間以上待ちの大行列ができる伝説のラーメン屋の店主・山岸の人生と、彼がラーメンにかける想い、彼を慕って集まった人々、そして最愛の妻との絆を描いた作品だ。久石はオファーを受けた当初、本作を「ラーメン一筋の人生を描いた成功譚だと思っていた」という。しかし、実際に完成した映画を観ると「(山岸氏は)亡くなられた奥様の事とか克服してもいないんだよね。そうすると、『この人ってこの後どう生きるのかなぁ』とか。そういうことってみんな抱えているじゃないですか。生きるという事は色々なことを解決していくことではないから。抱えながらでもちゃんと生きていく。その辺にすごく共感できた」という。

「(山岸氏が)奥様が亡くなったことを自分の中で消化しきれていないけれども、あれだけ多くのお弟子さんを育てたわけでしょ?これは逆に希望だと思うので、音楽はその辺に焦点をあてて書きました」という久石は、映画を締めくくる楽曲をあえて”クラシカル”なものにした。「ある種ミスマッチなぐらいに、ピアノトリオというバイオリン、ピアノ、チェロの非常にシンプルで、クラシカルなスタイルをとりました。流れからくると、実は違うんだろうと思うんだけど。逆に精神性の意味で言ったら、全体を最後締めるときに、いい意味でこの映画のやっている事をきちんと伝えられるんじゃないか、そういう意味で非常にクラシカルな作り方をしました」。

久石は、小さなラーメン店を切り盛りする男の背後に流れるドラマや歴史をくみとって、新曲『ふるさとのメロディー』を書き下ろした。彼はこの楽曲を「包み込むようなメロディー」と称する。これまで数々の映画音楽を手がけてきた久石が、ひとりの男の人生をどのように包み、どのような旋律を奏でるのか? 映画のラストにも注目してほしい。

『ラーメンより大切なもの~東池袋 大勝軒 50年の秘密~』
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