映画『家路』に主演する松山ケンイチ

東日本大震災以降の福島を舞台に、家族の再生を描く映画『家路』の製作が発表された。松山ケンイチが主演を務め、田中裕子、安藤サクラ、内野聖陽らが脇を固める。

映画『家路』は、福島県の小さな町で生まれた兄弟が、震災をきっかけに放射能に覆われた地で再会し、再び故郷で生きようとする姿を描く。松山は、ある事件の罪を被って町を出た主人公・沢田次郎を、内野は、田畑を受け継ぎ必死に家を守ってきた兄・総一を、田中はふたりの母親を、安藤は総一の妻を演じる。そのほか、山中崇、光石研、田中要次、石橋蓮司が出演する。監督は、テレビドキュメンタリーのディレクターとして25年以上のキャリアを持つ久保田直。脚本は、ドキュメンタリードラマ『青い目の少年兵~知られざる日中戦争の物語~』で久保田と組んだ青木研次が手がける。

松山は「次郎というキャラクターは人間界と自然界があれば自然界で生きようとする役柄。自然を抱擁しようとする大きな人間の美しさが脚本に表現されています。素晴らしい脚本の美しさを損なわないように観客の皆様に届けたいと思っています」とコメント。久保田監督は「福島の警戒区域は閉ざされた空間になってしまっていますが、その土地に対する“想い”は閉じ込めてはいけないと思い、警戒区域内の故郷へ戻る物語を描こうと思いました。本気で考えて現場に入ってくれているキャストの方々と、劇映画という“虚”を撮りながら、“実”を感じることが出来て、非常に手ごたえを感じています。これまでドキュメンタリーを撮ってきましたが、ドキュメンタリーでは描ききれないものを、本作で描きたい、描くことが出来るのでは、と思っています」と語っている。

映画は今月にクランクインし、いわき市など福島県でオールロケを敢行。公開は来春の予定。

『家路』
2014年 春 全国ロードショー