今から遡ること10年前。2008年のアニソンを振り返り、当時の思い出に浸りつつ、アニソンライターがオススメの10曲をご紹介します。

今では超有名アーティストとして活躍する声優やアイドルの瑞々しい歌声を聴ける曲から、懐かしの大ヒット曲、そして、隠れた名曲まで。

貴方の思い出のアニソンは、入っていますでしょうか?

ランカ・リー=中島愛『星間飛行』(『マクロスF』劇中歌)

2008年のアニソンベストということで、絶対に外せないのが、やはりこの曲。実力派アニソンシンガーとして活躍する中島愛さんが自身の主演する『マクロスF』で披露した楽曲で、2000年代に突如として出現した至高のアイドルソングです。

中島さんにとっての実質的なデビュー曲であり、自身が演じた同作のメインヒロインの一人である新人アイドル「ランカ・リー」のキャラクターソングでもある本曲。

作曲には、菅野よう子さん、そして、作詞には、松本隆さんという超豪華なクリエイターを迎えて制作された楽曲で、メロディも歌詞もひたすらに完成度の高いラブソングとなっています。

現在では、"声優アーティスト"として確固たるポジションを築いている中島さんですが、10年前のデビュー曲であるこの『星間飛行』では、現在に繋がる輝きの片鱗を感じさせつつも、ヴォーカリストとしての声量や音域にまだまだ荒削りな部分があり、それが今聴き返してみるとひとつの「味」や「色気」に繋がっているのが如何にもおもしろい。

まだまだ、ちょっとぎこちなく、だからこそ応援したくなる。まさに、新人シンガーならではのイノセントなエモーションを放つ曲だと思います。

また、本曲はサビの直前に挿入される「キラッ」というフレーズや、特徴的な振付けとポージングでも人気が爆発。

当時のニコニコ動画では、「歌ってみた」「踊ってみた」というファン参加型の動画が大量に投稿され、また、本曲のジャケットイラストをオマージュした二次創作イラストがWEB上に次々に生み出されるなど、当時のアニメ界を彩る大きなムーブメントを巻き起こしました。

2000年代のアニソンにおける"アンセム"のひとつであり、ランカのキャラクターと中島さんのアーティスト性が密接にシンクロ(これは、同作においてランカの恋のライバルとなるシェリル・ノームと、その歌声を担当したMay'nさんにも言えます)することで生み出された奇跡の1曲。まさに、名曲中の名曲です。