ブルース・リーの実弟、ロバート・リー(C)MMXII NETWORK FILMS TWO INC. ALL RIGHTS RESERVED.

世界中にカンフー映画ブームを巻き起こした不世出のスター、ブルース・リー。32歳の若さで急逝してから40年、もはや語り尽くされたかと思われていた彼の人生だが、『李小龍〈ブルース・リー〉 マイブラザー』には知られざる青春時代のエピソードがふんだんに盛り込まれている。製作総指揮を務めた実弟のロバート・リーが、映画に込めた思いを熱く語る。

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「ブルース・リーについての映画は数多く作られてきましたが、そこに映っているのはアクションヒーローとしてのブルース・リーであって、“人間”ブルース・リーではありませんでした。私たち家族はブルースの実像を伝えたいとずっと思っていたんです」と語るロバート・リー。ブルースの8歳年下の弟である彼は、ブルースが18歳で渡米するまで香港で共に暮らした。ボクシングのチャンピオンとの決闘、ダンスコンテストへの出場、失恋……。『李小龍〈ブルース・リー〉 マイブラザー』で描かれているのは、ロバートが間近で見てきた出来事なのだ。

ブルースが自転車に乗ることができなかったという意外なエピソードが映画に登場するが、ロバートは映画でも描かなかった秘密を教えてくれた。「1963年にブルースはアメリカから一時的に帰ってきました。真夜中に叫び声がしてみんな起こされたんですが、ダイニングに行ってみるとブルースがテーブルの上に立っていました。ゴキブリに遭遇してテーブルの上に逃げていたんです(笑)」

「もしブルース・リーが生きていたら?」という質問には「年齢的にアクション映画はやめているんじゃないかと思います」と意外な答えが返ってきた。「より哲学的な思想に基づいた映画を撮っていると思います。私は兄から生き方、考え方を教えられました。大事なのは、自分の強さと弱さを知ること、人生のゴールを設定してそこに向かってどう生きていくかを考えることだと。そういう彼の思想も皆さんに伝えていければと思っています」。ブルース・リーについて語るべきことは永遠に尽きることがないのかもしれない。各界の著名人がブルース・リーについて語る『アイアム ブルース・リー』とぜひ合わせて鑑賞してほしい。

取材・文・撮影:岡大

『李小龍〈ブルース・リー〉 マイブラザー』
7月13日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次公開

『アイアム ブルース・リー』
6月22日(土)新宿武蔵野館にて限定モーニング&レイトショー