ロボット掃除機の選び方を『BCNランキング』マガジン編集長が徹底指南!

2013.6.21 18:32配信
いま注目のロボット掃除機

掃除機売り場で注目度が高いロボット掃除機。この夏、ロボット掃除機の購入を検討している人は多いだろう。ロボット掃除機は、メーカーと製品数が多くなって選択肢が増えた反面、「どれを選んだらいいのかわからない」という困惑も生んでいる。そこで月刊『BCNランキング』の編集長、力石恒元が、失敗しないロボット掃除機の選び方を伝授する。

●留守の間に使うことが多いロボット掃除機

ロボット掃除機ブームの火付け役は、2002年に登場したロボット専業メーカー、米アイロボットの「ルンバ」だ。それ以前に自動で掃除する掃除機はあったが、「ルンバ」の清掃力と利便性の高さで注目を集め、ロボット掃除機という市場が確立した。その後、何度も類似製品が登場したが、実用的なレベルに達することなく姿を消し、「ルンバ」はこの10年、ロボット掃除機の代名詞として君臨してきた。

この独占市場に、2011年10月に東芝、12年5月にシャープが参入。また、韓国LGなどの海外勢も混じって、店頭には常に複数台のロボット掃除機が並んでいる状態になった。デモンストレーションを実施する店舗が増えたが、実際に家で使ってみないと、そのよさや違いはわからない。そこで、話題のモデルを借りて、実際に自宅で2か月間使ってみた。

試したのは、アイロボット「ルンバ780」、シャープ「ココロボ RX-V100」、今年発売のLG「HOM-BOT スクエア VR6260LVM」の3モデル。「ルンバ780」は、毎秒60回以上も考えて瞬時に最適な動作を行う「高速応答プロセスiAdapt(R)」を搭載し、同じ場所を平均4回掃除。部屋の情報を詳しく収集して、さまざまな角度からしっかりとゴミを集める。

「ココロボ RX-V100」は無線LANに対応し、スマートフォンアプリで外出先から遠隔操作ができる。また音声認識機能を備え、ユーザーの呼びかけに反応して、対話しながら操作できる。

「HOM-BOT スクエア VR6260LVM」は、円形のロボット掃除機が多いなか、四角い形状を採用したモデルだ。長いサイドブラシで部屋の隅やコーナーをしっかり掃除する。

さて、対決のフィールドとなるわが家を簡単に紹介しよう。我が家は共働きで子どもなし。夫婦ともに帰宅が遅いので、家事をする時間は平日の深夜か週末に限られてしまう。貴重な週末が家事で過ぎていくのはもったいないので、留守宅で自動で掃除をしてくれるロボット掃除機は本当にありがたい。家電量販店の店員に話を聞くと、「共働きの夫婦が購入することが多い」そうで、やはり私たち夫婦のように留守の間に掃除をさせる人が多いのだろう。

●「行き倒れ」ないことが最低条件

留守宅で掃除をするなら、店頭のデモンストレーションで気になる「音」はあまり気にしなくてもいいことに気がついた。そもそも家に誰もいないのだから、隣近所の迷惑にならない程度であれば、静音性をそれほど重視する必要はない。

代わりに重視したいのが、障害物に強いかどうかだ。実際にタイマー機能を使って掃除をさせたのだが、帰宅して驚くのが充電ステーションに戻れない「行き倒れ」があることだった。充電ステーションにたどり着く前に電池が切れてしまったり、段差やケーブルに乗り上げてエラーを起こしていたりした。

エラーを起こしてストップしているということは、きちんと掃除が完了していないということ。家にいればエラーをすぐに解除できるが、留守ではそれができない。部屋を最後まで掃除するにはエラーが起こらない、もしくは起こりにくいモデルがいい。

ただ、こればかりは店頭に行ってもわからない。そこで我が家で行き倒れていた場所を紹介する。特に多かったのはコンセント周辺のケーブル。床に散らばるケーブルに絡まって身動きができなくなっていた。また、部屋から廊下へとつながる敷居に乗り上げてしまうこともあった。

わざとエラーが起こりやすい環境をつくって試したところ、「ココロボ」や「HOM-BOT スクエア」は段差を障害物と認識して回避することが多かった。ただし、たまに乗り上げてエラーを起こしてしまう。さらに低い位置にあるケーブル類は回避することができないため、絡まりやすかった。対して「ルンバ」は段差やケーブルの塊をラクラクと乗り越えていった。2cmぐらいの段差であれば越えていく。

ロボット掃除機を走らせるときはケーブル類をケーブルボックスなどにいれて床に散らばらないようにするとエラーを減らすことができるだろう。 

●部屋全体をまんべんなく掃除できるモデルはどれか

掃除機なので、ゴミをきちんと取り除いてもらわないと困る。店頭のデモンストレーションでは疑似ゴミを撒いて吸引力の違いを比べている。もちろん、吸引力も大事なチェックポイントだ。そして吸引力と同じぐらい重要なのが、ゴミがある場所にたどり着くかどうかだ。

しばらく使ってみて、ロボット掃除機に苦手な場所があることがわかった。それは、壁際や丈の長いカーテンの下、家具が密集している入り組んだ場所など。これらはロボット掃除機にとって障害物で、これら障害物への対応が各モデルで違っている。

例えば「ココロボ」「HOM-BOT スクエア」は、超音波センサで障害物を検知し、障害物を避けて掃除をするようにプログラムされている。家具を避けて走るので傷つけることはないが、家具の周辺は掃除できないことが多い。特に壁際は綿ボコリがたまりやすい場所で、ここをしっかり掃除してほしい人は多いだろう。

壁際の掃除は「HOM-BOT スクエア」が得意だった。直線的に動く「HOM-BOT スクエア」は壁に垂直に当たる前にUターンしてしまうが、壁に沿って掃除をすることができるので、ここで壁際のゴミやホコリをしっかりキャッチした。

「ルンバ」は、赤外線センサで障害物を検知し、減速してぶつかることで障害物のギリギリまで掃除することができた。ただし、当たってほしくない物がある場合は、入られたくない場所に赤外線で動きを制御する「バーチャルウォール」を設置するといい。

壁際は壁にそって掃除をするロボット掃除機だが、窓にかかっているカーテンを障害物として認識してしまうことがある。窓際のカーテンに向けてそれぞれロボット掃除機を走らせたところ、「ココロボ」はカーテンの手前で、「HOM-BOT スクエア」はカーテンに触れたあたりでUターンした。「ルンバ」はカーテンの下まで潜りこみ、窓際まで掃除ができた。

●日本家屋に適したモデルはどれ?

欧米と異なり、日本の住宅には、フローリング、カーペット、畳と、いろいろな床材が混在している。そんな日本の住宅に適したロボット掃除機はどれなのだろうか。

3モデルとも、硬い床材のフローリング、畳は問題なくゴミを吸い取った。なかでも「ココロボ」は疑似ゴミとして使ったそば殻のように軽くて小さなゴミをよく吸い込んだ。

清掃力で違いが出たのはカーペットだった。ロボット掃除機は、ゴミを吸い込みながらも底面のローリングブラシでゴミをこしとっている。フローリングなどの硬い床材の場合は吸い込む力が強ければゴミを取ることができるが、毛足の長いカーペットは、毛に絡まったゴミを吸引力だけで取り除くことは難しい。そこでポイントになるのがゴミをかき出すローリングブラシだ。

「HOM-BOT スクエア」と「ココロボ」はローリングブラシの毛足が短く、カーペットに潜り込んだゴミをかき出すのは苦手だった。一方「ルンバ」は、毛が長く密度の濃いローリングブラシを採用しており、カーペットのゴミやほこりをよくかき出すことができた。また、段差を乗り越えるパワーが相まって、毛足の長いラグでもグイグイ進む。

ロボット掃除機を選ぶときに気になるポイントはたくさんある。吸引力はどうだろう、バッテリ容量はどうだろう……。だが、留守宅で使うなら、まずは行き倒れることがなく、さまざまな床材や壁際まで掃除できるモデルを選びたい。(『BCNランキング』編集長・力石恒元)

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