和音美桜、原田優一  撮影:源 賀津己 和音美桜、原田優一  撮影:源 賀津己

今年2月に東京で1日だけ上演され、ミュージカルファンの間で“噂のステージ”となっていた『歌会 KAKAI』が、今秋、名古屋と大阪で再演される。出演と構成・演出を務める原田優一のほか、今井清隆、樹里咲穂、和音美桜というミュージカル界のトップスターたちが集結したエンターテインメントショー。再演の報に喜ぶ原田と和音に、本作に込めた想いを聞いた。

『歌会 KAKAI』チケット情報

現在出演中の『レ・ミゼラブル』マリウスや『ミス・サイゴン』のクリスなど、大作ミュージカルでメインキャストを演じてきた原田。構成・演出の仕事については「自主制作の公演でやったことがあるので、今回のお話をいただいた時も、すぐにキャスティングが頭に浮かんで」と楽しげに話す。続けて「僕とミュージカル界の先輩の今井さん、和音さんと宝塚の先輩でもある樹里さんという関係だけでなく、“ボケ”タイプの先輩ふたりと“ツッコミ”タイプの和音さんと僕など、2月の公演では様々なバランスがうまく合わさって、結果的にお客様に楽しんでいただけた気がします」と振り返る。

「稽古場は毎日が修学旅行みたいでした」と笑顔を見せる和音も、『レ・ミゼラブル』のファンテーヌ役など、若手の中でもトップクラスの歌唱力で知られる。「最初、それぞれが歌いたい曲を原田さんに持ち寄ったんですが、出演した舞台の曲やいつか歌いたい曲のほかに、ポップス、歌謡曲などで膨大な数になってしまって(笑)」という言葉にも納得だ。選曲の作業が続くなか、和音と樹里からは演出面でのアイデアも続々と出されたとか。「ふたりとも関西出身だけに発想が豊かだし、笑いにも厳しい。それを形にしていく稽古場は心底楽しかったですね。今井さんは…、横でギターを弾いてるだけでしたけど…(笑)」と言う原田に、「今井さんはいらっしゃるだけで面白いことが起きるんです!」とフォローする和音。和気あいあいとした空気が伝わってきた。

共演の機会が多い原田と和音だが、その関係を原田は「姉と弟みたい」と語る。「和音さんのほうが1歳下なんですが、常にどっしりしていて芯がブレない。まとめ役として頼りがいがあります」という言葉に、「原田さんとは物事に対する目線が似ていると感じます。何でも話せる貴重な友人」と和音が返すひとコマも。「だからこそ、仲のいい4人で終わるのではなく“ほかの3人には負けへん!”という意識は忘れないように、再演に挑みたい。徹底的にお客様を楽しませたいですね」と原田が話せば、和音も「まず素晴らしい名曲の数々をキチンとお届けした上で、パフォーマーの人間性から出る“笑い”も楽しんでいただけたら」と口を揃える。最高の実力とチームワークで贈るエンターテインメント。見逃す手はないだろう。

公演は、10月22日(火)愛知・名鉄ホール、10月25日(金)・26日(土)兵庫・あましんアルカイックホール・オクトにて。チケットの一般発売は6月28日(金)午前10時より。なお、チケットぴあではインターネット先行抽選を受付中。6月23日(日)午前11時まで。

取材・文 佐藤さくら