『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』トークショーの模様(左から)杉作J太郎氏、田中栄子氏、窪岡俊之監督、マイケル・アリアス監督

三浦建太郎氏の人気コミックを長編アニメ化した『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』のブルーレイ&DVD発売を記念し21日夜、東京・新宿バルト9で本作をはじめ、アニメスタジオ「STUDIO4℃」が製作を手掛ける長編アニメ計4本のオールナイト上映イベントが開催された。上映を前に『ベルセルク』三部作のメガホンを執った窪岡俊之監督、『鉄コン筋クリート』のマイケル・アリアス監督、同スタジオのプロデューサーである田中栄子氏がトークショーを行い、“STUDIO4℃の魅力”を語り合った。

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STUDIO4℃は『となりのトトロ』『魔女の宅急便』(宮崎駿監督)のラインプロデューサーを務めた田中氏が主宰し、1986年に設立された。特に劇場用のアニメーション製作に注力し、前述のタイトルに加えて『MEMORIES』『マインド・ゲーム』『Genius Party』など数多くの秀作を世に送り出している。

「一言で言えば、志が高いクリエーターの集団。最初から『世界に届けたい』という気持ちが強い。長編1本が完成するまでには数年かかるが、納得いくまで作品づくりを貫き通すことは決して苦労じゃない。難題にこそ挑戦したくなるもの」(田中氏)。

今回、同スタジオと初タッグを組んだ窪岡監督も「とがった作品を作っている会社というイメージ。実際、スタッフの粘りがすごく、こちらがついていくのが大変なほど。さすが劇場用アニメのスタジオだと思った」と述懐。アリアス監督も「常に現場の温度が高く、決して手を抜かない。それに実験的で、面白いものを作ろうという意識が強い」と同調していた。

『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』は世界累計発行部数3300万部を記録するファンタジーコミックを原作に、最も人気の高い“黄金時代”を3部作で長編アニメ化した完結編。「まるで観客がその場にいるような、映像的な臨場感を意識した。それに剣や甲冑がぶつかり合う音響デザインは、スタジオで生音を撮った。ぜいたくな音作りもSTUDIO4℃ならではで、とても感激した」(窪岡監督)。今年2月の全国ロードショーでは、「R15+作品」に加えて、より過激な描写を含んだ「R18+バージョン」が一部劇場でレイトショー上映。今回、ブルーレイにのみ「R18+バージョン」が収録されている。上映前のトークショーには杉作J太郎(漫画家・コラムニスト)同席した。

『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』
2013年6月19日(水)Blu-ray&DVD発売