実勢価格1万8000円前後の「IdeaTab A1000」

タブレット端末市場は、画面サイズが7インチのモデルが主流になっていて、この夏も新製品が続々登場する予定だ。7月上旬に発売するレノボ・ジャパンの「IdeaTab A1000」も、そのなかの一台。ステレオスピーカーを搭載し、音質にこだわりながら、価格は2万円を切るコストパフォーマンスの高いモデルだ。発売前に製品に触れることができたので、その実力を検証した。

●手軽に使えるエントリモデル

まずは基本性能をチェックしよう。「IdeaTab A1000」はデュアルコアCPU「MediaTek MTK8317(1.20GHz)」を備え、メモリは1GB、ストレージは16GBを搭載している。7インチの液晶画面は5点のマルチタッチに対応。解像度は1024×600ドットと決して高くない。

インターフェースは、本体上部側面にmicroUSB端子とイヤホンジャックを、右側面にmicroSDHCスロットを装備する。SIMスロットは装備していない。カメラ機能は、ビデオチャットなどに利用する30万画素のフロントカメラだけだ。

サイズは幅199×高さ121×厚み10.7mm。人気のgoogle純正タブレット「Nexus 7」とほぼ同じサイズだ。

OSはAndroid 4.1.2を採用し、アプリ配信サービス「Google Play」に対応する。アプリはGoogle関連の基本アプリのほか、日本語入力ソフト「Simeji」とファイル管理アプリ「ESファイルエクスプローラー」が入っている。

●7インチのコンパクトボディが迫力の音を再現

ここまでチェックした性能は、ごく一般的なエントリモデルと大差がない。「IdeaTab A1000」で特筆すべき点は、内蔵スピーカーやイヤホンで聴く音にある。

一般的なタブレットは、スピーカーを背面に搭載しているモデルが多い。音は視聴者に向かって来ることがなく、迫力が感じられない。これに対して「IdeaTab A1000」は前面に二つのスピーカーを搭載し、視聴者に音をしっかり届ける。さらに二つのスピーカーがステレオサウンドを実現。自宅などで音楽や動画を楽しむのに最適だ。

音楽を最大ボリュームにして聞くと、楽器やボーカルの解像度、鮮明さのよさを感じることができる。音圧や音のスピード感は、7インチのタブレットとは思えない迫力だ。

7インチとコンパクトなタブレットだと、家の外に持ち出すことが多くなる。そんなときは、スピーカーよりもイヤホンやヘッドホンで視聴する機会が増えるだろう。「IdeaTab A1000」のイヤホン視聴時に威力を発揮するのは、映画館のような音響表現を実現する「ドルビーデジタルプラス」だ。オンにすると音圧が上がり、音に厚みが増したのが体感できた。

スピーカーでもイヤホンでもいい音を楽しめる「IdeaTab A1000」。使っていて楽しかったのは、YouTubeにあるプロモーションビデオなどの視聴だ。液晶ディスプレイの品質は決して高くはないが、そのぶんサウンドは同価格帯の製品のなかではトップクラス。せっかくのフロントステレオスピーカーを生かすために、横位置で立てかけられるスタンドなどを用意できると、より使い勝手がよくなるだろう。

また、「IdeaTab A1000」の購入者を対象に、音楽ストア「Tapnow ミュージックストア」のポイントを1000円分プレゼントする「1000円分音楽ポイント プレゼントキャンペーン」を9月1日まで実施する。

激戦の7インチタブレット市場は、2万円以下の低価格ゾーンが最も熱い。「IdeaTab A1000」は、そこに音楽に適したモデルとして登場した。もっと安いモデルもほかにもあるし、高画質で表示するモデルもある。しかし、こと音楽の再生を中心に考えるなら、「IdeaTab A1000」は非常に有力な候補になる。(コヤマタカヒロ)