八合目の下江戸屋は標高3,350m。“皇太子殿下御宿泊所” とありますね。この「皇太子」は、昭和六十三年当時の皇太子なので、現在(平成)の天皇陛下のことだそうですよ。

 

八合目からほんの20分ほどで、本八合目(標高3,400m)に到着します。

 

本八合目~山頂:高山病とうまく付きあう必要あり(1時間20分)

最後の高度300mを登るのは、たった1.3kmの道のり。本八合目までが体力勝負だとすれば、ここから山頂までは「気力」と「根気」の勝負です。

なぜなら酸素が薄くなり、3,000mを過ぎると高山病の症状が出やすくなるからです。まるで70歳80歳の老人にでもなったかのようにすぐに息が切れるし、頭痛やめまいなどの体調不良を引き起こす危険性もあります。

大きく息を吸うのではなく、深く息を吐ききる登山用の呼吸を活用します。本八合目の山小屋の背後に見える急傾斜を、少しずつ、しかし着実に高度を稼いでいきます。

 

目指すは鳥居。手前の鳥居が九合目、奥の鳥居が山頂です!
しかし、すぐそこにあるようで、遠い。

 

あと200mで山頂!

 

山頂付近は、這って登るような岩場。もう、岩をひとつ登るごとに息が切れます。
肩で「ゼイゼイ」と息をしそうになったら、5秒だけ休む。また一歩登っては、休む。この繰り返し。