『モンスターズ・ユニバーシティ』を手がけるダン・スキャンロン監督

ディズニー/ピクサーの新作映画『モンスターズ・ユニバーシティ』が6日(土)から公開になる前に脚本と監督を務めたダン・スキャンロンが来日し、新作へのこだわりやピクサーの特色について語った。

その他の写真

新作『…ユニバーシティ』は、りっぱな“怖がらせ屋”になることを夢見て名門学校“モンスターズ・ユニバーシティ”に入学したひとつ目のモンスター・マイクと、怖がらせの才能を持つサリーが、モンスター界を揺るがす壮大な事件に巻き込まれる様を描いた超大作。日本語版では前作に続いて田中裕二がマイクの、石塚英彦がサリーの声を演じている。

本作は2001年の『モンスターズ・インク』の続編だが、主人公たちの“若き日”を描く作品になった。スキャンロン監督は「5年ぐらい前にピクサーのみんなで“『モンスターズ・インク』の続編はそもそも可能なのか?”についてアイデア出しをするミーティングがあったんです」と振り返る。「その中で出たのは『映画を作る以上はマイクとサリーの友情を掘り下げないとダメだ』という意見でした。そこで時間をさかのぼって“マイクとサリーはどうやって相棒になったのか?”を見せることにしたんです。大学時代を描くことで様々な行事も描けますしね」。

そこでスタッフたちは入念に脚本を執筆し、マイクとサリーの若き日のドラマを描くだけでなく、“モンスターズ・ユニバーシティ”に集う様々なモンスターたちを生み出した。劇中ではキャンパスに個性豊かなモンスターが次から次へと登場するが、驚かされるのは画面の密度があがってもストーリーやキャラクターの感情はスムーズに入ってくることだ。「とにかく画面の構図やアングルには細心の注意を払いました。ピクサーの最大の特徴は監督やアーティストたちからたくさんのことを学んで、吸収することができることなんです。そこで僕も“観客の目をどのように誘導するのか?”についてたくさん学びましたし、『トイ・ストーリー3』を監督したリー・アンクリッチから意見をもらったりもしました。そして制作の初期段階で、どの程度の数のモンスターが登場し、どのように動くのかをラフな形で映像にして、ショット毎にモンスターの位置や動きを検討していきました。これは本作を作る上でとても重要な作業だったと思います。とは言え、ピクサーのアニメーターたちは画面の隅にいるキャラクターであっても本当に表情豊かに描くんです。彼らは微妙なニュアンスまで表現しますから、シーンの説明をするときはまるで俳優に演出をつけているような気分でしたね」。

ファースト・カットからエンドロールまで情報とドラマがギッシリとつまった本作。観客はまずマイクとサリーの物語を存分に楽しみ、2回目以降に鑑賞する際は画面の隅々で活き活きと行動しているモンスターたちの姿を楽しんでみてはどうだろうか。

『モンスターズ・ユニバーシティ』
7月6日(土) 全国ロードショー 2D・3D同時公開