――総選挙の開票発表の時も、同じSNH48に所属する留学生として、隣に座ってました。

リハの時は、SNH48の子たちに会ってから胸が締め付けられるようで。本当にもう、メトロノームがメッチャ速く動いているんじゃないかっていうくらい鼓動がすごくて……。

自分自身にも何が何だか分からなかった状態を、一番感じてくれていたのは、ほかの誰でもない、まりやんぬでした。コンサート直前に私が泣き出してしまった時にも、ただただ黙って一緒に涙を流してくれました。

開票を待っている時は、どういう順位になるかで、どんなスピーチをするか考えます。総選挙はほんとにガチなものなので。椅子に座ってひとり、結果に向き合う準備をするんです。

でも今年がこれまでと違ったのは、隣にまりやんぬがいてくれたこと。
私が「まだ呼ばないでくれー!」って叫べば、一緒になって「呼ばれんなー!まだ呼ばれんなー!」って言ってくれて。佐江の頭の中が、SNH48のことでいっぱいだったことも、たぶん彼女は感づいていたと思います。

ブログにも書いたけど、他のメンバーの順位が次々と発表されていくなかで、突然まりやんぬに「ごめん、なんか新しい決意を言っちゃうかも」ってつぶやいてました。小声で。

それだけしか伝えてないけど、キモチは通じてました。まりやんぬは私の手を握って、涙を、普段の笑い泣きとは違う涙を流しながら「佐江ちゃんの言いたいこと、言ってきて」って送り出してくれたんです。

――そしてあの、佐江ちゃんの「SNH48一本で行きます」宣言。

スピーチと総選挙が終わって、ステージ裏で真っ先に会いたかったのも、まりやんぬでした。

今までSNH48に対しては、まりやんぬと佐江、ふたりの意見を別々ではなく、ひとつにしていこうねって言ってきたから。だから、まず謝りたかった。でも彼女は、分かってくれました。佐江とまりやんぬの、SNH48の中での道が変わってゆく。それを全部受け入れた上で「私は兼任でいくよ」って。芯のしっかりした人なんです。あとからすごく長文のメールをくれて「自分もこんな気持ちで総選挙に臨めたのは初めてでした。佐江ちゃん、ありがとう」って。

――それは、なかなか言えないことですね。まりやちゃん、カッコいいなぁ。

しかも選挙翌日も、まりやんぬは、佐江のフォローをし続けてくれたんですよ。私はSNH48のメンバーが総選挙を、そして私の決断をどう感じたか、それが気になって仕方がなかった。でも直接会う時間がどうしても取れなくて……。

来日してきたメンバーのweibo(※中国版ツイッター)を読む限りでは、佐江の本気は通じたと思うけど。選挙の次の日、SNH48メンバーは東京観光をして上海に帰ったけど、原宿のガイド役を買って出てくれたまりやんぬにメールして、彼女たちの様子を聞きました。「みんな元気そう?」「うん、元気に楽しんでるよ」「それは良かった!」って。そんなやり取りがあって少し安心できて、自分の目の前の仕事にもようやく集中することができました。

――まさに、最高最強のパートナーですね?

いやほんっと、パートナーがまりやんぬで良かったぁって、感謝の言葉しかありません。

あぁぁああッ、またこんなに長くなっちゃいましたね。ごめんなさい!m(。_。;))m
あと、大切な家族の、忘れられない話もあるんです。

――では最高のパートナー・まりやんぬのお話の後は、これまた最高なご家族についてお話しいただきましょうか。でも、それは来週にしましょう。

はい(笑)。来週も楽しみにしていてくださいね。谢谢大家!(皆さん、ありがとう!)

(※1佐江ちゃんはAKB48の2期生で、まりやちゃんは7期生。SNH48移籍前はそれぞれチームK、チームBと別チームに所属していました。なおAKB48の劇場公演は基本的に、所属するチームごとに行われます)
 

 

【今回のまとめ】

今回のフレーズ&単語
恭喜【gōngxǐ】:おめでとう ※重ねて恭喜!恭喜!と用いられることも多い。





 


*本文中の赤字は、中国語です。
*)中国語の表記は、上海(大陸)で使われている簡体字を使用しています。また【 】内には、中国語の発音表記として漢語拼音(ピンイン)を記しています。

撮影:増田慶 スタイリング:梶原浩敬(Stie-lo) ヘア&メイク:長谷川喜十郎(JULLY)

1990年8月13日生まれ。東京都出身。O型。AKB48のメンバーとして活躍。2016年4月1日に旧チームK特別記念公演でグループを卒業。『王家の紋章』、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』、『TOKYO TRIBE』、ユーミン×帝劇vol.3『朝陽の中で微笑んで』、地球ゴージャス プロデュース公演 Vol.15『ZEROTOPIA』、『ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2』などに出演。連載から生まれた書籍「これさえあれば。」が発売中。Official

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