「ラ・カージュ・オ・フォール」 (C)東宝演劇部

鹿賀丈史と市村正親の絶妙なコンビネーションで3年前に大好評を博したミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』が年明け1月より再び上演される。本公演のプレ・レビューと記者会見が12月8日、東京・東宝ダンスホールにて行われた。

「ラ・カージュ・オ・フォール」チケット情報

『ラ・カージュ・オ・フォール』は1983年にブロードウェイで初演され、トニー賞6部門を受賞した大ヒット・ミュージカル。日本では1985年に初演されてから、様々なキャストで繰り返し上演されてきた人気作だ。ゲイクラブの経営者ジョルジュ(鹿賀)と看板スターのザザことアルバン(市村)は20年来同棲しているゲイカップル。ジョルジュの実の息子ジャン・ミッシェル(原田優一)が結婚することになり相手の女性と両親と会うのだが、急遽アルバンが女装して母親を務めることでひと騒動が巻き起こる。家族愛をテーマとした笑いと涙の物語だ。

3年ぶりにタッグを組む市村と鹿賀。鹿賀は「いっちゃん(市村)のザザはこれでもかってぐらいにやってきますから、負けないようにがんばんないと(笑)。男同士の夫婦役は他ではないですから楽しいですね」と話し、市村は「あんなに長い時間見つめあうことはないですよね。今日はまだメイクはしていないので(役に)入り切れてない」と言いながらも、しなを作って笑わせた。

初演よりハンナ役を演じ、振付を務めてきた真島茂樹は、「振付は、ほとんどオリジナルに近い形ではありますけれど、今回は空気を変えています。カジェル(男性ダンサー)に関してはダイナミックに変えております」と見どころを語った。前回公演よりシャンタル役を務める新納慎也は、「(共演者の)みなさんは愛を知り尽くされた方たちばかりなので、追いつけるように愛を深めたい」と意気込みを語った。

ゴージャスな衣裳とメイク姿で登場した新納は「メイクをしていたんですけど、だんだん小指は立ってくるし……。その40分ぐらいの中で性転換をやっていくという感じですね」と話すと、真島は「最後に口紅をひいた瞬間に“やったーっ”ていう感じになるんですよね」と役柄へ変貌する様子を明かした。劇中で女装しない鹿賀は「内心うらやましいなぁと。僕もやってみたいなぁと思います(笑)」と話し、市村は、「今日はピンクの衣裳を着ておりませんけれども、みんなと同じようにバケモノのようになって、早く皆様の前に現れたいです」と話し、会場を爆笑させた。

会見後はミュージカルナンバー4曲が披露された。鹿賀、市村はソロのナンバーで重量感たっぷりの美声を響かせ、また、10名のカジェルとともにダイナミックできらびやかなダンスを披露し、会場は本番さながらの拍手喝采となった。

公演は1月7日(土)、日生劇場にて東京公演が開幕、1月29日(日)まで上演。大阪公演は2月3日(金)から5日(日)梅田芸術劇場 メインホール、愛知公演は2月12日(日)・13日(月)愛知県芸術劇場 大ホールにて上演される。チケットは発売中。

文:門宏