ディズニー/ピクサーの今後について語ったジョン・ラセター

ディズニー/ピクサー最新作『モンスターズ・ユニバーシティ』の公開に合わせ、同スタジオのトップに立つジョン・ラセターが来日を果たし、取材に応じた。近年は製作総指揮というポジションで、若い才能に監督デビューの機会を与え、監督業からは遠ざかっているが「最近だと『カーズ2』を撮ったけど、私自身、監督をするのが大好き。実は数年後に、またメガホンを執る計画なんだ。まだ、詳しいことは言えないけどね」と監督復帰を示唆した。

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ラセターといえば、ピクサーの創設メンバーであり史上初の長編CGアニメ『トイ・ストーリー』などの名作で、アカデミー賞を2度受賞した輝かしい経歴の持ち主。2006年、ディズニーによるピクサー買収を機に、チーフ・クリエイティブオフィサー(CCO)に就任し、ディズニー/ピクサーが製作する全作品をクリエイティブ面で統括している。長らく低迷が続いたディズニー長編アニメを『塔の上のラプンツェル』『シュガー・ラッシュ』といった秀作によって再浮上させた立役者でもある。

「今後もピクサーとディズニーは、根本的にはまったく別のスタジオとして存在し続ける。ピクサーが反骨精神を重んじる“パイオニア集団”だとしたら、ディズニーは1932年設立の伝統主義。どちらにも良い面があるが、私がCCOに就任した際に『作品のアイデアを生み出すのは、あくまでフィルムメーカー』という発想、つまりピクサーのやり方をディズニーに持ち込んだんだ」(ラセター)。目指すのは、現場のスタッフ全員が平等に意見交換できる「クリエイティブな爆発が起こる環境」だといい、「私からのダメだしや助言も、絶対ではない。ものづくりの現場は、決して縦社会ではいけないんだ」と語る。

『モンスターズ・ユニバーシティ』に続き、12月には飛行機を主人公にした『プレーンズ』、来年3月にはスペクタクル・ファンタジー『アナと雪の女王』、さらに大ヒット作『ファインディング・ニモ』の続編である『ファインディング・ドリー』、恐竜が絶滅しなかった世界を描いた『グッド・ダイナソー(原題)』など新作が続々公開される予定。「ディズニー/ピクサーとして毎年1本のオリジナル、2年に1本ペースで続編ものを発表していくつもりだ。もちろん、単なる量産ではクオリティが落ちてしまう。作品のペースは増すが、長年かけて築き上げた体制で、最高の作品をつくり続けたいという気持ちに変わりはないよ」とラセター。

ディズニーといえば、『スター・ウォーズ』新三部作の動向も気になるところだが「私自身興奮しているが、何も言えない……、というより何も知らないんだ。ただ『トイ・ストーリー3』の脚本を手がけたマイケル・アーントが参加しているから、素晴らしい作品になることは間違いないよ」。

『モンスターズ・ユニバーシティ』
公開中

『プレーンズ』
12月21日(土) 2D・3D同時公開

『アナと雪の女王』
2014年3月 2D/3D公開

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