『ワイルド・スピード EURO MISSION』(c) Universal Pictures

『ワイルド・スピード』シリーズの快進撃が止まらない! 普通のシリーズ物はなかなか1作目のクオリティを越えられず、3匹目、4匹目のドジョウを狙ってるうちにマンネリ化が進んで失速というのが定番の運命。ところが『ワイスピ』は、最初から迷走の連続だった。中堅ヒットの1作目を受けた2作目ではW主演の片割れヴィン・ディーゼルが降板。3作目は前2作と全く関係のない若造が主人公になって興行成績はガタ落ち。この時点でシリーズが終了しても当然だっただろう。

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だが『ワイスピ』は不死鳥の如く蘇った。4作目でヴィン・ディーゼルらオリジナルキャストが再結集。改造車レース+アクション+セクシー美女という要素も地方ウケしてレンタルを中心に地道にファンも開拓しており、シリーズ最高のヒットに。さらに驚くべきは、5作目の『…MEGA MAX』が全世界興収6億ドルという驚異的メガヒットを記録したことだ。

しかも過去作の登場人物を片っ端から呼び戻し、凄腕チームによる強奪アクション大作へとシフトチェンジ。正直4作目までとはレベルが違う完成度の高さで、ついにA級のハリウッド超大作に大化けしたのである。だいたい5作目が一番面白いシリーズ物なんてみなさん他に思いつきますか!?

そして満を持した6作目は海外公開からわずか2週間ですでに5億ドル目前。劇中では新たな大物スターの次回参戦まで明かしており、シリーズとしてのボルテージは右肩上がりに上がる一方なのだ。

正直21世紀に入ってから生まれ、天井知らずの成長を同時進行で体感できるシリーズは『ワイスピ』だけ! 同時代を生きる我々のためのエンタメ祭り、四の五の言わずに参加した方がいいと誰彼かまわず断言してしまおう。

『ワイルド・スピード EURO MISSION』
公開中

『ぴあ Movie Special 2013 Summer』(発売中)より
文:村山章