来店客の買上点数のアップに重要な「クロスMD」

【家電コンサルのリテールマーケティング】 小売業の店頭展開を考える上での代表的な活動として、インストア・マーチャンダイジング(ISM)がある。ISMの定義は「店頭における商品の陳列と品揃えの構成を科学的、統計的に検討し、収益の最大化を図る商品および商品構成を実現するための活動」である。今回は来店客の買上点数を向上させる施策として重要な「クロスMD(マーチャンダイジング)」の手法について説明する。

<第4回>クロスMDのメリットとデメリット

クロスMDとは「顧客に異なるカテゴリの商品を組み合わせて提案することで買上点数を伸ばす手法」だ。一か所で必要な商品が揃い、買い忘れの防止や、さらには“新しい生活シーン”を連想させて顧客の購買意欲を高めるメリットがある。

家電量販店における代表的なクロスMDはブライダルやシングルライフのセット展開でみられるが、逆にいえば、これ以外のクロスMDは少ないのが現状である。理由として、家電量販店はカテゴリ別の担当者制を採用するケースが多いことが挙げられる。

その結果、(1)カテゴリ(担当者)をまたいでのセット展開が困難、(2)メンテナンスに手間がかかる(W展示=同一型番の複数台展示や離れた場所での展開が多くなるため)などの課題が挙がる。つまり、クロスMDを推進するには、すべてのカテゴリを統括する店長からの指令や発信がポイントになってくるわけだ。

また、クロスMDは買上点数の向上だけではなく、顧客に気づきを与えながら満足感を高める効果があるので、さまざまなテーマ設定を考えながら工夫して展開することが望ましい。

例えば、「PM2.5」をテーマとするなら、一般的な空気清浄機だけではなく、エアコン、クリーナー、布団乾燥機、衣類乾燥機など、「プラス1」の提案ができるはずだ。社会的問題や話題、生活シチュエーション、シーズンなど多くの事象にアンテナを張ってテーマを選定すると、来店客に「新しい発見」を提供でき、買上点数が向上するうえ、来店客に向けた活動のため、即効性が期待できる。クロスMDの手法は数種類あるので、今後も機会を見て紹介していきたい。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

堀田泰希

1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。

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