お別れの会終了後、囲み取材に応じた野村克也氏

 プロ野球南海(現ソフトバンク)、ヤクルト、阪神、楽天で監督を務めた野村克也氏の妻で、昨年12月8日に虚血性心不全のため急死したタレントの沙知代さんの「お別れの会」が25日、東京都内で営まれ、著名人と関係者ら約1000人が参列した。

 「サッチー」の愛称で親しまれた沙知代さん。祭壇には故人が大好きだったアジサイ、バラ、カーネーションをメインに計9500本の花が配され、故人の洋服10点と思い出の写真が10点飾られた。

 多数の参列者を前に、喪主を務めた克也氏は、「去年ぐらいに、冗談半分、本気半分で『俺より先に逝くなよ』と言っていたのですが、先に逝ってしまいました。皆さんには、大変お世話になった。幸せな人生だったと思います」と気丈に語った。

 タレントの萩本欽一は、沙知代さんに向け「監督のボヤきをずっと聞いてくれていたんですね。監督のことを心配されていると思いますが、これからはそのボヤきを私たちが聞きましょう」と言葉をかけた。

 最期の日の様子について克也氏は、「隣の部屋でテレビを見ていたら、お手伝いさんが、『奥さんの様子がおかしい』と。そばに行ったら、食堂のテーブルに頭を付けて動かない。背中をたたいて『おい、大丈夫か?』と聞くと、『大丈夫よ!』と強気の一言が返ってきた。最後まで強気な姿勢を崩しませんでした」と振り返った。

 会の終了後に、息子の克則氏とともに報道陣の取材に応じた克也氏。「“サッチーさん”が、こんなに人気があるとは。こんなに大勢の人に来ていただいて、感謝感謝です」としみじみ。今、沙知代さんに掛けたい言葉を聞かれると、「それは一言、『ありがとう』しかない」ときっぱり。改めて「歯に衣着せない性格。誤解を招く性格ですが、奥さんとしてすごく頼りになる。どんな危険なことに直面しても、マイナス思考は絶対にない。『大丈夫よ』と」と思い出を語った。