家電量販店・ネットショップの実売データを集計するBCNランキングによると、ノートPC市場は昨年10月以降、3か月連続で前年同月を下回った。しかし、9月までに積み上げたプラス分が大きく寄与し、年間ベースでは台数・金額はともに前年を上回っている。市場は総じて堅調に推移したとはいえ、メーカー別の伸び率では明暗が分かれた。

ノートPCの台数・金額伸び率(前年同月比)を月ごとにみると、17年9月まではほぼ前年並み、もしくは大きく上回る水準で推移した(図1)。しかし、10月21日-22日に日本列島を縦断した大型台風21号、翌週も22号が接近し、土日の客足を止めたことが大きく影響し、10月の売れ行きは一転して鈍化。台数・金額はいずれも前年比2ケタ減と大きく落ち込んだ。それ以降、3か月にわたり精彩を欠く動きとなっている。ただし、チャートからもわかるように、1月・4月・8月が前年比2ケタ増だったことから、年間ベースでは辛うじて前年を上回る結果となった。

ノートPC市場の年間の伸び率は、台数が前年比102.8%、金額が101.5%となった(図2)。同様に上位6社のメーカー別にそれぞれ伸び率も算出してみると、明暗が大きく分かれている。好調だったのはアップル(台数:122.2%、金額:125.4%)とASUS(台数:115.5%、金額:124.5%)の2社だった。その要因を探ると、アップルでは4割近くを占める「MacBook Air」がけん引。また、ASUSでは「VivoBookシリーズ」のなかで11.6インチのモバイルに特化した製品が大きく貢献した。一方、NEC、富士通、東芝、レノボ・ジャパンは、台数・金額がいずれも前年実績には及ばず伸び悩んだ。

今後、20年1月14日の「Windows 7」サポート終了に伴い、その直前には需要が活性化するとみられている。しかし、タブレット端末やスマートフォンなどのモバイルデバイスへと、ライトユーザーが流出してしまう可能性は十分考えられだろう。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。