「消費者の選択肢増が目標」と語る粟津氏

スマートフォンやフィーチャーフォンといった携帯通信端末の中古品の普及と健全化を目指す業界団体「リユースモバイル・ジャパン(RMJ)」の代表理事企業を務める、携帯市場の粟津浜一代表取締役は業界が抱える課題の解決に向けて、「データ消去の安全性の担保」「端末整備」「保証の充実」を挙げる。

RMJの使命の一つは「中古スマホ」に対する懸念の払拭

2017年に設立したRMJは、スマートフォンやフィーチャーフォンといった携帯通信端末の中古品の普及と健全化を目指す業界団体だ。粟津氏は「中古携帯端末の認知度がまだまだ低いこともあり、海外に比べて市場規模はまだ小さい。中古端末の存在を知ってはいるが、購入には至らない消費者も多い。ボトルネックは個人情報などのデータ流出に対する懸念だ」という。

RMJの使命は、行政との交渉に加え、中古携帯端末の認知度向上と消費者のもつ不安の払拭を図ること。「将来的には、検査を通過した端末にRMJ公認を証明するステッカーを貼るなどの施策も考えている。そのためにはまず、団体の存在が市場に浸透しなければならない」(粟津氏)。

データの消去は端末内のみに限らず、FeliCaやアプリなど端末外にも残ってしまう情報の消去運用を整備する。この整備に関しては、一定の基準による動作チェック運用体制を整える。保証については、期間や適応ルールの明確化、故障や破損した場合の対応方法、対応拠点の拡充も進める方針だ。

犯罪防止策が市場拡大に向けての課題に

中古端末は、「振り込め詐欺」などの犯罪に利用されることを防止するために、盗品など不正に入手した携帯電話機を使ったと判明した際は、通話や通信の利用を制限する。同様に、端末代金を未払いのまま売却したことが発覚した場合も制限の対象になる。この「ネットワーク利用制限」も、普及を阻む課題の一つだ。

特に携帯端末は、利用者が端末代の支払いが終わっていない時点でも売却できる可能性がある。粟津氏は「古物営業法に則って中古端末を取り扱う事業者が本人確認を行い買い取った端末の場合でも、前のユーザーが債務不履行を起こしたら、買い取った事業者や二次流通した端末を購入したユーザーが、端末を使えなくなってしまう可能性がある」とリスクを指摘。そうしたトラブルへの対策として、「事業者によっては、料金の支払いが終わっていない状態の端末を買い取りの対象外にしたり、買い取り金額を低めに設定したりするケースがある」と話す。

根本的な対処法として「料金が支払われた場合のネットワーク利用制限確認サイトへの反映の迅速化」や、「端末料金支払い状況の共有」などを挙げた。ほかにも、「盗品と料金未納の振り分け」「キャリアによる下取り端末の国内二次流通」「中古端末の品質保持に必要な交換用部品の供給」など、通信事業者との協議を要する課題は多い。

「消費者が安心・安全に中古端末を購入できるように、また、事業者が安心で安全な中古端末を消費者へ提供できるように、通信事業者と中古端末事業者で連携していきたい」と、粟津氏は思いを打ち明ける。RMJが目指すのは消費者の選択肢を増やすことだ。(BCN・南雲 亮平)

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