最新のiOS 11に唯一対応する第6世代iPod touch

Appleは、2015年7月に第6世代モデルを発売して以来、iPhoneと同じiOSを搭載した携帯オーディオプレーヤー「iPod touch」を長らくモデルチェンジしていない。自分のことで恐縮だが、私の家族は第5世代、第6世代iPod touchを購入し、かつてはケータイ、今はAndroidスマートフォンと2台持ちしているtouchファンだ。ズボンのポケットに入る薄さが気に入っているという。

家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、17年の携帯オーディオのメーカー別販売台数1位はソニー。シェアは16年の55.7%から58.2%に微増し、6割に迫った。一方、2位のAppleは前年の34.0%から30.1%にダウン。しかし、17年7月にiPod nanoとiPod shuffleの販売を在庫限りで終了しており、その割には健闘したといえるだろう。

スマートアンサーを提供するコロプラと共同で、BCNが17年12月に実施したアンケート調査によると、機種変更で不要になった、以前使っていた古いスマホの使い道について聞くと、およそ3分の1にあたる28.8%が、何らかの用途で今でも古いスマホを使っていると回答した。

最多は「音楽再生」で、そのほかの用途としては「動画再生」「ゲーム」「写真などのデータ保存場所」「Web検索」などが挙がった。つまり、SIMカードの入っていない古いiPhoneをiPod touchとして、Androidスマホを音楽・動画専用プレーヤーとして使っている回答者が少なくないということだ。

新規の販売台数を基準にすると、確かにAppeのシェアは以前に比べて下がっているが、実稼働ベースでは案外、まだ高いのではないだろうか。新モデルを望む一部のファンの期待とは裏腹に、「古いスマホの使い道」の調査結果をみると、むしろ薄さとカラフルなカラー、SIMカードスロットの有無以外、iPhoneと違いのないiPod touchが、ラインアップから消えずに残っているだけでも喜ばしいことだ。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。