中村俊輔(横浜F・マリノス) (c)J.LEAGUE PHOTOS 中村俊輔(横浜F・マリノス) (c)J.LEAGUE PHOTOS

横浜F・マリノスにとって、絶対に負けられない2連戦となる。7月13日(土)・日産スタジアムで首位・大宮アルディージャを迎え撃ち、7月17日(水)・2位・浦和レッズのホーム、埼玉スタジアムへ乗り込むJ1リーグ戦16・17節の話である。

『ナビスコカップ』準々決勝で鹿島アントラーズを2-0、3-1と連破し、2位でリーグ戦再開に臨んだ横浜FMだが、最下位・大分トリニータと引き分け、セレッソ大阪には1-2で敗戦。順位を4位まで下げ、大宮には勝ち点8差をつけられた。シーズン折り返し前に正念場とまでは言わないが、これ以上ポイントを離されるわけにはいかない。

勝ち点1しか積み上げられなかったが、大分戦、C大阪戦は悪い内容ではなかった。大分の堅守速攻にハマったが、後半だけでコーナーキック12本得るなど、押し込んだ。C大阪戦も相手のシュート10本に対し15本のシュートを放ち、後半はボールポゼッションでも圧倒した。ナイターとは言え、30℃を超える悪コンディションでの連戦は、スタメンの平均年齢30.82歳(大分戦での数字)というベテラン揃いの横浜FMには厳しいだろうと思われたが、体力的にキツイ後半に逆に相手を上回っている。事実、C大阪に敗れた後も、樋口靖洋監督は「結果は残念だが、ゲーム自体は非常にポジティブな内容だと思っている。ボールをしっかり保持して、相手を走らせ、後半はかなりいいテンポでボールを散らしながらチャンスを作り出した」と分析した。

もちろん、課題もある。2試合とも相手に先制点を許しているのだ。中村俊輔もC大阪戦後、「暑い時にはより先制点が大事になってくる。決めるべきところで決めないといけない」と反省の弁を口にした。

翻って、大宮と浦和はと言うと、ともに勝ち点4を積み重ねた。大宮は14節こそ、サガン鳥栖に後半押し込まれて1-1に追いつかれたが、名古屋グランパス戦では開始7分にミスから失点するも、慌てず騒がずFW・ノヴァコヴィッチ、ズラタンの代役FW・長谷川悠のゴールで逆転に成功、名古屋得意のパワープレーも防ぎ切った。浦和はヴァンフォーレ甲府のがっちり固めた守備網をCB・那須大亮のオーバーラップでこじ開け、翌節・FC東京戦では0-2のビハインドからFW・興梠慎三、そして1.5列目の原口元気のスーパーゴールで引き分けにもち込んだ。

ともに好調を維持しているが、横浜FMにとって付け入る隙もある。大宮は5ゴールのズラタンに続いて、得点ランキング7位タイ8得点のノヴァコヴィッチも負傷した。浦和は熱帯夜の中でも「超攻撃型サッカー」の信念を曲げない。省エネサッカーをよしとしないペトロヴィッチ監督の姿勢は素晴らしいが、12日間で4試合を戦う超過密日程で体力が失われているはずだ。そして、何よりも、横浜FMには中澤佑二&栗原勇蔵を中心にした堅守、直接決めるもよし、ターゲットの頭に合わせるもまたよしの中村のプレースキックがある。ここ2試合結果が出ていないが、首位・大宮、2位・浦和に対して、横浜FMも互角以上に戦える。チケット発売中。