『ペーパーボーイ 真夏の引力』のジョン・キューザック(C)2012 PAPERBOY PRODUCTIONS,INC.

全米でベストセラーとなった小説を、『プレシャス』のリー・ダニエルズ監督が映画化した『ペーパーボーイ 真夏の引力』が日本でも27日(土)より公開される。本作で、獄中の死刑囚という物語の鍵となる役柄を演じ、観客に強烈な印象を与えるのがジョン・キューザック。彼が本作について語ったコメントが届いた。

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本作は、1969年の米フロリダを舞台に、ある青年が体験したひと夏の出来事を描いたミステリー。挫折を経験し、父親の経営する新聞社で配達の手伝い(新聞配達=paperboy)をする主人公が、都会の大手新聞社に勤める兄の取材を手伝うことに。その取材とは、人種差別主義者の保安官を殺害したという罪で死刑判決を受けた男が実は冤罪被害者なのではないか、という調査。主人公はこの取材に関わったことから、初めての本気の恋と同時に、生涯忘れようのない悪夢のような体験をすることになる。

キューザックが演じたのは、この調査対象となる死刑囚ヒラリー。これまでそのルックスからか“マトモ”な人間を演じることの多かったキューザックだが、このヒラリーはマトモとは正反対、ただならぬ邪気を醸し出す怪しさムンムンの男だ。この意外なキャスティングを打診された時のことについて、キューザックは「リー・ダニエルズ監督だから 即決した」と語る。「僕らは会ってすぐに意気投合したんだ。脚本もあっという間に読み終わったよ。数ページ読むつもりが没頭してしまったんだ。溶け込むように頭の中に入ってきた。他の俳優たちがこぞって出演したがった理由も明らかだよ。物語も登場人物も題材も良かったからね」

“他の俳優たち”というのは、主人公を演じたザック・エフロンや、その兄を演じたマシュー・マコノヒー、ヒラリーの婚約者役の二コール・キッドマンのこと。「僕の年齢がもっと若かったらザックの役か、マシューの役だったろう」と笑うキューザックだが、そんな実力派キャストの中でヒラリーを演じられたことは「最高だった」そうだ。「こういう役を演じるチャンスはそうはない。僕の役は特別なんだ。悪魔みたいな役だからね。ヒラリーという男は、精神的にギリギリで奇妙な人物なんだ。いわゆる悪人だけどある意味では、彼が主人公に人生を教えるんだよ」

“悪魔みたいな役”について「楽しかった」と振り返るキューザック。一世一代の鬼気迫る怪演を、ぜひ見逃さないでほしい。

『ペーパーボーイ 真夏の引力』
7月27日(土)より全国ロードショー

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